【ビジネス用語】apple to apple の比較がなぜ重要なのか? 意味と事例を添えて。

上司やクライアント先に『アップルトゥアップル (apple to apple) の比較になっていますか?』と言われたことはありませんか?

私も以前、アメリカの同僚に言われたことがあるのですが、最初は『リンゴとリンゴの比較ってどういう意味?』と疑問に思ったものです。

このapple to apple comparison (リンゴとリンゴの比較) は、数字を扱う上で非常に大切な考え方だと思いますので、事例を交えながら、この記事で紹介していきたいと思います。

apple to apple の意味とは?

apple to appleは、言葉通りの「リンゴとリンゴ」という意味から転じて、「同じもので比較すること」という意味です。

 Comparing Apple to Apple

リンゴとミカンを比較しても意味がない、比較するならリンゴ同士を比較しろという意味。つまり意味や内容が違うモノを比較して、どちらが優秀かを決定することは意味が無く、同質の物を比較することで正確な結果を得ることができるという事例として登場した。

引用元: マルチメディア・インターネット事典

apple to apple はもともと英語圏で使われている言葉なので、参考として英語での解説も載せておきます。

apple to apple の意味

Comparing apples to apples means comparing things that can reasonably be compared, while the phrase apples to oranges often is used to represent a comparison that is unreasonable or perhaps impossible.

引用元:English Language Learners

英語の方では、「理論的に比較できるもので比較すること」というように書かれています。こちらの方がより現実を反映したような記載だと思います。

というのも、実際のビジネスシーンでは、100%同じもの同士で比較することは簡単ではないからです。そんな時は、できる限りapple to apple の条件に揃えるべく、足りないデータなどはBest estimateで補ったりしながら比較できるレベルに整えたりします。

ですので、英語文にあるように、can reasonably be compared という言葉なのだと思います。

一方で、後段の部分に書いてあるように、同じもの同士の比較になっていない時は、アップルトゥオレンジ(apple to orange) と言われます。

apple to apple にならない事例 (apple to orange の事例)

apple to apple の意味を理解するには、apple to apple になっていない事例(すなわち、apple to orange)をみるのが近道と思います。ということで、以下に3つのパターンの事例を載せました。

定義が異なる

例:人件費を ¥(円) と $ (ドル) という異なる通貨で比べてしまう

例:A国とB国では「失業者」の定義が違うのに、単純に失業率を比べてしまう

集計方法が違う

例:1週間の賃貸料と1ヶ月の賃貸料の比較

例:電話アンケート調査インターネット調査の比較

調査対象が違う

例:教育を受けた成人3歳の子どもの計算の速さを比べる

例:従業員満足度調査でC社は正社員のみ対象だが、D社は契約社員や派遣社員も調査対象にしている

なぜ apple to apple の比較が重要なのか?

私の現在(記事執筆時:2018年1月)の職種はファイナンスプランニング&アナリシスといって、企業戦略に必要な財務データを出したり、予算や予測と照らし合わせて実績のモニタリングを行ったりする業務です。

日々の業務では様々な数字を扱っていますが、そこに求められるのは、単なる10進法で表されたデータの報告ではなく、そのデータから見出される「経営層にとって有益な数字の意味づけ」を取り出して報告することです。

例えば、『今年度の日本事業部の予算は100億円です。』と数字だけ報告しても、『 So what? (それで? 結局、何が言いたいの?)』という厳しいquestion を受けてしまいます。

ですので、『今年度の日本事業部の予算は、昨年度と比較して、ほぼフラットです。昨年度予算は102億でしたが、今年は2億円減の100億円に落ち着きました。各種のコスト削減策が人件費の増加を吸収してくれたおかげです。この数字であれば、アメリカ本社からも問題なく、承認を得られると思われます。』

というように、比較対象を持ってきたうえで、その数字がどのような意味を持つのか? 良い数字なのか悪い数字なのか? どのような経緯でその数字になったのか? そして、最終的に何が言いたのか? ということを説明しています。

そこで重要になってくるのが、apple to apple という考え方です。

というのも、上記のようなストーリーは、「昨年度と今年度の予算が同じ条件で比較されている」という前提があったうえでの話だからです。

もし、比較した条件が違ったら、、、上記のストーリーはまったく意味が無くなってしまうのです。そして、冒頭の『これって、ちゃんと apple to apple の比較になっていますか?』という質問がくるというわけです。

このように、説得力のあるストーリーの根拠となる数字を土台からしっかり支えてくれるのが、このapple to apple という考え方です。

まとめ:ビジネスで常に念頭に置いておくこと

ここまでの内容をまとめたいと思います。

  • 数字は単体では意味がない。何かと比較して、意味づけや解釈を持たせてこそ意味がある。
  • 数字を比較する時に非常に重要な考え方が、apple to apple である。
  • apple to apple とは、同じものを比較することで正確な結果を得るという考え方。
  • もし、数字の比較が apple to apple になっていない場合(つまり、apple to orangeの場合)、その比較結果は意味がないものになるので要注意。

いかがでしたでしょうか。

もし、あなたが数字を分析してレポートを作成する担当者であったなら、その数字は何と比較されているのか? apple to apple になっているのか? 具体的には、定義、集計方法、集計対象などは揃っているのか? ということを念頭に置かれると良いかもしれません。

また、上司やクライアントに聞かれることを想定して、何と何を、どのように比較しているのか? についても可視化しておくと良いかもしれません。

もし、あなたが数字やレポートを受け取る立場であれば、上記の点がしっかりと考慮されているかどうかを確認してみると良いと思います。なぜなら、もらったレポートの前提条件がapple to orangeであった場合、そのレポートの結論が大きく変わる(場合によっては、反対になる)可能性があるからです。

本記事は以上です。apple to appleの比較に興味を持っている人なら、以下の数字分析に関する関連記事もおすすめです。ぜひ読んでみてください。

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本サイトの運営者。社会人になった後、周囲から仕事ができないと思われて、自分の人生が真っ暗闇に感じた辛い日々を過ごす。その後、奇跡的な復活劇を遂げ、その勢いのまま、グローバルプロダクトマネジャーを経験。全く喋れなかった苦手の英語もビジネスで会話ができるレベルまで押し上げ、今はグローバルや日本の幹部と直接コミュニケーションをするポジションで仕事をしている。 専門分野は、プロジェクトマネジメント、アカウント・ファイナンスなど。自分のように、仕事で悩んでいる人や大きな壁を感じている人が現状打破できるように、という想いで本サイトを立ち上げた。