【部下育成の極意】「質問攻め」と「信頼攻め」のたった2つで部下は劇的に成長する!

【部下育成の極意】「質問攻め」と「信頼攻め」のたった2つで部下は劇的に成長する

どうしたら部下は成長してくれるのだろうか?

これは部下を持つマネジャーたちが常に抱えている悩みではないでしょうか。

部下の育成と聞くと、世間ではよく「部下のキャラクターに合わせて、褒めたり、叱ったりというバランス調整をしないといけない」という話が出てきますが、それはあくまで、方法論に過ぎないのではないかと私は感じています。

それよりも、もっと根本的な部分で、部下の成長のことを考えるべきだと私は思います。ポイントは2つ。

  1. 部下への圧倒的な信頼感を伝えること。
  2. 質問を投げ続けること。

たったこれだけだと思うのです。

この記事では、部下育成の極意である。この2つのことについて、考察していきます。

指示を仰いでくる部下に指示を与えてはいけない理由

私の会社では、一時期、言われたことしかできない「指示待ち人間」が量産された時代がありました(注: 当時の筆者も含みます、笑)

なぜかというと、非常に懇切丁寧に書かれた「マニュアル」と「そのマニュアルを教える先輩」がいたからです。

何かわからないことがあったら、取るべき行動は2つ。

  1. マニュアルに解決策が書いているか探す
  2. マニュアルになかったら、過去事例を先輩に聞く

でした。

そこには、自分で何かを考える余地はあまり残されておらず、仕事ができる人とは、「マニュアルを熟知しつつ、そのマニュアルにない過去事例を知っている人」でした。

こんな状況だったので、いざマニュアルになく、過去事例にない場面に遭遇したら、「どうしたらいいでしょうか?」と、とりあえず直属の上司や他部門の担当者に尋ねる中堅社員が大発生していました。

こういう社員がいた場合、「その場合は、こうしなさい」と指示を出すのは簡単です。また、その方が手早く解決できます。

しかし、そうすると、その人はその後も指示を仰ぎにくるようになります。その度に、わざわざ指示を与えていては、いつまで経っても、部下は成長しませんし、上司の負担も減りません。

指示を仰ぐ部下に対して上司が指示を出した時、部下は1つの事例について1つの解決策しか学ぶことができません。

これは、上司の指示に限らず、マニュアルや業務指示書も同様です。

「A(問題)が起きたら、B(解決策)をしなさい」という、1対1の指示は、人間の成長機会を大きく阻害するのです。

しかし、本当は、問題に対する解決策(打ち手)はいくつもあるものです。

その打ち手の中から、Pros/Consを考えながら、その状況にもっとも適した選択肢を選んでいくものです。

つまり、A(問題)に対して、Bという解決策以外にも、CやD、EやFという選択肢があるのです。

例えば、お腹が空いたなら、白米だけでなく、パンやパスタ、ピザ、そば、うどんなど、いくらでも選択肢があるように。

「問題Aが起きたら、Bしなさい」という指示は、「お腹が空いたら、白米でも食べてなさい」という命令にすぎないのです。

そこには、部下の成長はありません。

あるのは、単なる作業指示です。考える機会はありません。

人間は、1日に6万回もの質問を自分に問いかけると言います。例えば、朝起きて、「今、何時だろう?」とか「朝ごはんは何にしよう?」「今日の天気は?」などです。

一つ一つの小さな行動の裏には、一つ一つの小さな質問が隠れています。

逆を返せば、一つ一つの行動に成長が見られなかったり、ミスや失敗を繰り返したりする人は、その裏側に隠れている質問に問題があると言えます。

上司の仕事は、部下を質問攻めにして、成長を促すこと

もし、部下から「○○の件、どうしたらよろしいでしょうか?」と聞かれたら、以下のように質問で返すことです。

「○○さんは、どうしたらよいと思う?」

こんな風に指示を与えずに、オープンクエスションで返すと、無責任だと思う人もいるかもしれません。

また、こんなものは部下への丸投げではないか、と思う方もいるでしょう。でも、これは無責任でもないし、丸投げでもありません。

実際に、部下に指示を出すアドバイス型リーダーと、質問型リーダーを比較した結果、質問型リーダーの方が部下の積極性を促すという結果が報告されています。

ティーチングとコーチングのどちらが部下を成長させるのか。

部下と一緒に考えることを優先する「質問型リーダー」と、部下にやり方を教えることを優先する「アドバイス型リーダー」で比較した調査結果があります。

それによると、ビジョン構築や目標設定、積極的な提案などの項目で、アドバイス型より質問型の部下や同僚のほうが、積極的な姿勢がみられました。

いい上司ほど「指示待ち」の部下をつくる

つまり、上司は、「自分ならこうする」という模範例を言わずに我慢し、部下に考えさせるのです。

そして、これがとても難しいのです。難しい理由は2つあります

理由1. プレイヤーとしての経験・知識・スキルが高ければ高いほど、指示を出したくなる

プレイヤーとして実績を残した人ほど、自分の目には、鮮明に「取るべき選択肢」がいくつも見えています。

そんな有能な上司からすれば、早くその選択肢を教えて、仕事を前に進めたいと思うのは当然のことです。

しかし、その選択肢を伝えてしまった時点で、それは上司の指示になります。

すると、部下はその指示に従わざるを得ないので、自分では考えなくなります。

だからこそ、上司は指示を出してはいけないのです。そして、部下が自分自身で高みに到達するまで待たなくてはならないのです。

プレイヤーとして有能な人がマネジャーになった時にぶち当たる壁が、この「指示だしの我慢」なのです。

これが、部下育成が難しい第一の理由です。

理由2. 部下に質問するのは、とても面倒で手間がかかる

部下から「こういう風にしたらよいと思うのですが、、、」と相談がきたら、

  • 「なんでそう思ったの? 根拠は?」
  • 「それをやることによるデメリットは?」
  • 「そのデメリットをクリアする方法は?」
  • 「それをやるには、誰を押さえておくべき?」
  • 「確かに、一つのオプションだと思うけど、別の選択肢も考えた?」

などなど、わざわざ、部下のアイデアを出発点にして、色々と考えるべき目線・ポイントを質問してあげないといけないからです。

この部下のアイデアを出発点にしないといけない点が、とてもまどろっこしいわけです。

自分でやれば、数百倍早いと思いつつも、部下のアイデアを活かしながら、そのアイデアから、足したり引いたり、掛けたり割ったりと、そういうアプローチを導いてあげないといけません。(もちろん、教えてはいけない)

こんな面倒なことはないのですが、でも、これが本当の意味で部下を育成するということだと思うのです。

ここで根負けして、「こうしたらいいよ」とか「こうやっておいて」というような “指示” を出してしまったら、そこで部下の成長は止まります。

もちろん、その仕事は前に進むでしょうし、クオリティや納期も高まるでしょう。

でも、次に同じような案件が来た時に、部下が自分で考えて解決する力は得られないかもしれません。

指示出しは短期的にはよいですが、中・長期的な目線(人材育成、組織力向上)では、NGだということを肝に命じるべきです。

以上から、上司が本当の意味で部下を育成したいと思うのなら、指示出しはせずに、「質問をする」ことが重要なのです。

ただし、ここで気をつけないといけないのは、ひたすら質問攻めをすればいいと言うものでもないことです。

部下に対して、どんなことがあっても「信頼している」と伝え続けること

Why型の質問をすると、しばしば、部下からは「攻撃」のように受け取られることがあります。

部下ではなくても、普通に友達から、「なんで仕事辞めたの?」とか「なんでそんなことしたの?」と聞かれると、土足でこちらの内面に踏み込んできたように感じるのではないでしょうか。

さらに加えると、部下は、上司が自分のことをどのように評価しているのかを常に気にしています。

例えば、何か失敗してしまった時などは、「これで自分のことを嫌いになったのではないか?」とか、「これで自分のことを信頼してくれなくなったかも」とか、そんな負のスパイラルに勝手に入っていくものです。(見た目はポジティブな部下でも、心の中ではこのように思っている可能性にも注目すべきです)

そんな時に、「なんでこんな失敗をしたと思う?」なんて質問をされたら、部下は成長どころか、萎縮してしまって逆効果になります。

だからこそ、部下を質問攻めにして成長させる前には、とても大事な下準備をしておく必要があるのです。

それは、「あなたの部下への絶対的な信頼」を伝えておくことです。

だからこそ、上司は、常日頃から、部下に対して「信頼感」を伝える必要があります。これはいくらやってもやり過ぎにはなりません。

部下が「上司から信頼されている」とか「上司から信頼されて仕事を任されている」という実感を持つことこそが、部下の自発的なアクションを促すための大前提なのです。

そのためには、部下との会話の数を増やすことが重要です。

それは日々の声かけもそうですが、最近では、上司と部下との “1 on 1” (1対1の会話)も浸透して来ています。

私の会社はグローバル化に伴って、この “1 on 1” という会話形式が飛躍的に増えました。アメリカではごく普通にやっているもので、それが自然に日本でも浸透しました。

また、部下との会話においてとても重要な点として、矛盾するようですが、「上司」と「部下」という立場ではなくて、対等な人間としての「信頼感」を伝えることも重要です。

「上司」と「部下」という上下関係の立場を持ち出すと、部下は「信頼感」を感じにくくなります。

だからこそ、「上司」という立場を一旦捨てて、○○さんと○○さんという人間同士の関係で話をすることを意識するべきです。

「信頼感」というのは、上下関係から生まれてくるものではなく、人間同士の付き合いから生まれてくる、もっと感情的なものだからです。

そのために、部下との 1 on 1 では、もっと部下の話に耳を傾けて、部下のプライベートも仕事の悩みもじっくりと聴くという意識で取り組むとうまくいくようになります。

そして、その部下を “部下” としてではなく、”○○さん” として、よく理解できた時、きっと対等な目線で信頼関係ができているはずです。

ここまで来れば大丈夫です。あなたがいくら質問をしたとしても、部下の成長を意図したものだと伝わっているはずですので、部下は急激に伸びて行くでしょう。それも勝手に。

部下の成長を感じたら、等身大の気持ちで褒めて、さらに成長を加速させる

壁を越える

いかがでしたでしょうか。

部下を成長させる手取り早い方法は、「圧倒的な信頼感」をもって「質問攻め」をすることです。

これで、指示待ち人間だった部下も、自分で考えて行動できるように急成長します。(昔の私がまさにその事例でした)

そして、もし、部下に成長が見られたら、そこを徹底的に褒めてあげてください。

日本人は褒めることが苦手な人もいますが、素晴らしい上司・マネジャーになるには、人を褒めるプロでなくてはなりません。

それは何も嘘をつけと言っているのではなく、常日頃からの部下との会話や1 on 1の中で、部下の成長と褒めるポイントをチェックしておくべきということです。

どこかに褒めるポイントがないかな、と意識していれば、必ず見つかります。

逆に言い換えれば、「部下の褒めるポイントが見つかりません」と言う上司は、部下のことを見ていないという「自分のできなさ」を暴露しているようなものです。

組織を束ねる上司・マネジャーとして、部下を褒めて育成して行くことも、リーダーたる者の責務なのではないでしょうか。

この記事が、多くの上司・部下のモチベーション・成長アップに少しでもつながれば幸いです。

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ippo

本サイトの運営者。社会人になった後、周囲から仕事ができないと思われて、自分の人生が真っ暗闇に感じた辛い日々を過ごす。その後、奇跡的な復活劇を遂げ、その勢いのまま、グローバルプロダクトマネジャーを経験。全く喋れなかった苦手の英語もビジネスで会話ができるレベルまで押し上げ、2019年6月からはアメリカに赴任し、グローバル・リーダー/マネジメント達と仕事をしている。 専門分野は、プロジェクトマネジメント、アカウント・ファイナンスなど。自分のように、仕事で悩んでいる人や大きな壁を感じている人が現状打破できるように、という想いで本サイトを立ち上げた。