大坂なおみ選手のグランドスラム制覇を影で支えたコーチの存在を知っていますか?
なぜ、大坂なおみ選手は、急激な成長を遂げたのか?
その鍵は、自己成長を促すコーチングにありそうです。
そして、自己成長とコーチングの関係は、そっくりそのまま、我々ビジネスパーソンにも当てはまります。
この記事では、大坂なおみさんのコーチングを事例にしながら、我々ビジネスパーソンが学ぶべき点を考察していきたいと思います。
大坂なおみ選手の急激な成長はコーチによるコーチング
まずは、大坂なおみ選手の成長の裏側にスポットライトを当てた記事を紹介したいと思います。
大坂なおみ選手のコーチであるサーシャ・バイン氏は「誰かが、選手にどちらの道を行けと指示するのではなく、選手が自分で道を見つけられるほうが価値がある。だから僕はある程度、選択肢を狭めておいて、最終的には、つねに彼女が自分で決断をできるだけの余地を残しておくことが大切だ」と述べている。つまり「オーバーコーチング」をしないということが重要だというのだ。
スポーツの世界でカギとなるのはもちろん選手の実力だが、それと同等、時にそれ以上、重要なのがコーチや指導者の「コミュ力」である。指導者のコミュ力と選手の実績とは絶対に「正比例」する。青山学院大学の駅伝チームの原晋監督やワールドカップでの大躍進を導いた元ラグビー日本代表監督エディ・ジョーンズ氏などはまさに、バインコーチ同様、選手との対話を重視し、自ら考えさせ、選び取らせるスタイルで成功を収めた。
(引用元:東洋経済オンライン|大坂なおみが世界の称賛と同情を集めたワケ)
コーチングをするためには、その選手の人となりや価値観、考え方に寄り添う必要があるので、選手との対話は必須です。
そして、その対話の中から、選手がどうしたいのか? そのためには、何が課題で、それをどうやったら克服できるのか? という点を、一緒になって探していきます。
コーチングとは、その人の内側に眠っているポテンシャルを引き出してあげることなのです。
オーバーコーチング(教えすぎ)は、いわゆる「ティーチング」のこと
大坂なおみ選手のコーチであるサーシャ・バイン氏のコメントの中で、1番注目すべきなのは、「オーバーコーチングをしない」という点です。
オーバーコーチングとは、日本語では「教えすぎ」を意味していて、いわゆる、「ティーチング」のことです。
例えば、「そこは、こうしろ!」「〇〇はやるな!」というような、断定的な指示のことです。また、指示ではなくても、「こうした方がいい」とか「こうしよう」というようなアドバイスも、ティーチングに含まれます。
私もスポーツをやっていたので、よく遭遇しましたが、監督やコーチ、先輩や上級者からは、だいたいティーチングを受けます。(コーチングというのは、まずないです)
そして、これと全く同じことが、会社で働く我々ビジネスパーソンの身にも起きているのが、とても興味深いです。
- 『この資料の〇〇のところを、××のように修正しておいて』
- 『そこのプレゼンは、△△のようにした方がいいよ』
- 『あの取引先との交渉の時は、□□のようにやるべきだったね』
などです。
これらはいずれもティーチングです。 別名、『ありがたい先輩のご助言(これ、皮肉で言ってます)』です。
これらをコーチングの観点で言うとすると、
- 『この資料の〇〇をもっと良くしようとすると、どうしたらいいと思いますか?』
- 『そのプレゼンをもっとクライアントに届けようとすると、どうするのがいいのでしょうか?』
- 『あの取引先との交渉を次に活かすとしたら、どうしますか?』
というように、答えを教えるのではなく、自分で気づかせる質問になると思います。
コーチングとは、対話を通して顧客が目標達成するプロセスを支援すること
コーチングとは、相手に自分の考えを教えるものではなく、相手が自分で考え、行動するように促すものです。
コーチ・エィさんのサイトに、コーチングの定義がわかりやすくまとめられていたので、引用させていただきます。
<コーチングの定義とは>
目標達成に必要な知識、スキル、ツールが何であるかを棚卸しし、それをテーラーメイド(個別対応)で備えさせるプロセスである
(引用元:コーチ・エィ アカデミア|コーチングの定義)
コーチングは、相手に自分で考えるきっかけを持ってもらうために行うので、コーチは、色々な質問や投げかけをしていきます。
例えば、以下のように。
どんなときにエネルギーがわいてきますか?
一番幸せを感じるのは,どんなときですか?
あなたを縛っているものは何ですか?
あなたにとって仕事はどんな意味をもっていますか?
あなたにとって楽しみの定義は何ですか?
今年のあなたの目標設定のテーマはなんですか?
この一年で何を勝ち取りますか?
- 具体的にどんな結果を求めているんですか?
いかがでしょうか?
もし、あなたがこんな質問を投げかけられたら、どんな気持ちの変化や行動の変化が起きそうですか?
まとめ:先輩・上司からのティーチング(指導 または シゴキ)に悩む人へ
コーチングが面白いのは、すでに相手の中にあるもの(まだ眠っているもの)を表に出してあげて、それを相手に言語化させることで、より実現に近づけていくというアプローチです。
サーシャ・バイン氏も、このようなコーチングを意識して、大坂なおみ選手のポテンシャルを引き出していったのかもしれません。
我々ビジネスパーソンの世界でも、このような個人コーチがそばにいてくれると、自己成長やキャリアパス構築にとてもいいのですが・・
残念ながら会社の中には、こういったコーチングができる先輩や上司に当たる可能性はとても少ないものです。
そして、大体が自分の過去の成功体験に基づいたティーチング(いわゆる、指導や指示。時にはシゴキになることも)をしてくれるという、”ありがたい” 状況です。
私は過去に、この “ありがたい ” ティーチングのおかげで精神を病みかけたことがあるので、
同じように、もし、あなたが苦しい “ティーチング” に悩んでいる人がいたら、コチラの記事も読んでみてください。
“コーチング” という本当の意味での自己成長を促すアプローチがあるんだよ!!
ということを知ってもらえたらと思います。