ビジネスの本質をシンプルに伝えている 絵本『りんごをたべたいねずみくん』

子供に絵本を読んであげていると、ハッと気づかされることがあります。

先日、『りんごをたべたいねずみくん』という絵本から、仕事をする上での大事な考え方や価値観を教えられました。

子供のための絵本なのに、なぜか大人のためになってしまっているという不思議な状況なのですが、なにはともあれ、シンプルだけれど強烈なメッセージなので、この記事で掘り下げてみたいと思います。

『りんごをたべたいねずみくん』の内容

まずは、この絵本の内容を読んでみてください。(ネタバレしますので、もしご自身でゼロから読みたい方は、この記事を閉じてください)。

トリくん やってきて りんごを ひとつ とりました

ぼくにも 翼が あったらなあ

サルくん やってきて りんごを ひとつ とりました

ぼくも 木登り できたらなあ

ゾウくん やってきて りんごを ひとつ とりました

ぼくも 鼻が ながかったらなあ

キリンくん やってきて りんごを ひとつ とりました

ぼくも 首が ながかったらなあ

カンガルーさん やってきて りんごを ひとつ とりました

ぼくも 高く とべたらなあ

サイくん やってきて りんごを ひとつ とりました

ぼくも 力が つよかったらなあ

アシカくん やってきて ネズミくん いったい どうしたの?

ネズミくんは たずねました

  • きみは 空を とべるかい?
  • きみは 木登り できるかい?
  • きみは 鼻が ながいかい?
  • きみは 首が ながいかい?
  • きみは 高く とべるかい?
  • きみは 力が つよいかい?

あしかくんは こたえました

どれも ぼくには できないや・・・

でも ひとつ ”得意なこと” がある

私が絵本から受け取った「ビジネスで大事な2つのメッセージ」

この本、序盤は、特に何も意識せずに読み進めました。

アシカくんのシーンに行くまでは、色々な動物が思い思いの方法でりんごを取っていくという、単調なパターンが続いたためです。

そして、りんごが残り2つになってきた時、私は『さて、ネズミくんはどうするのだろう?』と少し興味を持ち始めます。ただ、単調なパターンのまま物語が終わる絵本は結構あるので、この本にもあまり期待していませんでした。

そして、最後のシーン。

アシカくんとネズミくんは自分たちの “得意なこと” と “お互いの協力” という2つの組み合わせで、見事にりんごを勝ち取るのです。これぞWin-winの関係です。

このラストシーンをみた時に、子供への読み聞かせはそっちのけで、『おお、なんだこのストーリーは!?』と叫んでしまいました。

私の嫁は『そんなに言うほどのこと?』と首を傾げていましたが、私は2つの強烈なメッセージを感じました。

それは、、、

  1. ビジネスでの成果の出し方に正解なんてない。あなたが得意な方法でやったらいいんだよ。
  2. あなた一人で頑張らなくてもいい。仲間と一緒にやれば、一人でできないことができるよ。

というものです。

ビジネスでの成果の出し方に正解なんてない。あなたが得意な方法でやったらいいんだよ。

私は今でこそ、ある程度自分の仕事のパフォーマンスに自信が持てるようになりましたが、そこに至るまでに、周りの人と比べてあまりにも仕事ができない自分に嫌気がさし、会社を辞めようと思ったことが何度もありました。

とはいえ、会社を辞めたところで、他にどうやって生計を立てて行けばいいのか?と悶々としながら、試行錯誤する日々を数年間も過ごしていました。精神的にも体力的にも限界だったと思います。

そんな私がダメ社員だった時の上司は、私のダメなところを改善するように色々とティーチングをしてくれたのですが、それによって私の得意な部分が消えてしまって、上手くいかない結果になったことを覚えています。

ですので、この『正解なんてない。キミの得意な方法で目的を達成できるように工夫してごらん?』というメッセージ(と私は勝手に受け取ったのですが、笑)が、とても素晴らしいなあ、と感じたのです。

子供もきっと同じで、苦手なことを人並みにできるように頑張るよりも、

得意なことを、もっと得意になるように頑張ること。

こっちの方が俄然モチベーションも湧くし、子供の成長を促すと思うんです。(あとは、ちょっと硬い言い方をすると、”エネルギー効率・時間的効率が良い” です)。

そして、もう一つ副産物があります。

得意なことを極めていくと、なぜか自然と苦手だったことも少しずつ改善していくんです(引き上げられていくイメージでしょうか)。

こんなに大事なことを、こんなにシンプルかつ分かりやすく書いている絵本に感激した次第です。

あなた一人で頑張らなくてもいい。仲間と一緒にやれば、一人でできないことができるよ。

もう一つ、忘れてはならないメッセージがこれです。

ネズミくんとアシカくんのチームプレーです。

人間って忙しくなったり、余裕がなくなってくると、視野が狭くなってしまうものです。

「自分では無理だ、どうしたらいいんだ。もうダメだ。。」というように。

でも、自分ができなかったら、他の人と協力すれば良い。お互いのできること・得意なことを持ち寄ればいい。もっとゆったりと構えて、一緒に協力できる人を探したらいい。

そんなメッセージをこの作者は伝えたかったんじゃないか、と私は感じました。

自分一人できることは限られているからこそ、色々な専門性を持った仲間と協力する。協力して、一人ではできないことを成し遂げていく。

その重要性を教えてくれる絵本だなと思います。

『りんごをたべたいねずみくん』の著者:なかえよしをさん・上野紀子さん

ここまでで、この絵本の素晴らしさを伝えてきたのですが、『いったい、どんな方がこの絵本を書いているのだろう?』と気になったので少し調べて見ました。

この著者は、なかえよしを さん、上野紀子 さんです。お二人は夫妻で絵本を作られていて、なかえさんが内容とラフなスケッチを書いて、それを上野さんが絵に仕立て上げていく、という役割のようです。

実は、今回の作品も含めて、ネズミくんシリーズの絵本が多数作られています。

このお二人の絵本作りに関するインタビュー記事がありましたので、少し引用させていただきます。

だから絵本でも、ちょっと考えさせるような作品がいいと思っています。ただおもしろいというだけじゃなくて、作者の考える余白のある絵本が、子どもにとっても本当はいいのではないかなとは思っています。

vol.6 絵本作家 なかえよしをさん・上野紀子さん(前編)

ということで、私はまさに、この絵本に考えさせられてしまったわけです(笑)。

みなさんは、この絵本の内容から、どんなメッセージを受け取りましたか?

子供向けの絵本から学んでいるのは、実は子供よりも大人なのかもしれません。

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ippo

本サイトの運営者。社会人になった後、周囲から仕事ができないと思われて、自分の人生が真っ暗闇に感じた辛い日々を過ごす。その後、奇跡的な復活劇を遂げ、その勢いのまま、グローバルプロダクトマネジャーを経験。全く喋れなかった苦手の英語もビジネスで会話ができるレベルまで押し上げ、今はグローバルや日本の幹部と直接コミュニケーションをするポジションで仕事をしている。 専門分野は、プロジェクトマネジメント、アカウント・ファイナンスなど。自分のように、仕事で悩んでいる人や大きな壁を感じている人が現状打破できるように、という想いで本サイトを立ち上げた。