『アメリカ人のエグゼクティブたちは、接続詞の使い方をかなり意識している。』
これはグローバル企業で働く筆者が、彼らのスピーチを聞いたり、実際にコミュニケーションをする中で感じていることです。
同じアメリカ人でも、エグゼクティブの話は理解しやすく、担当者レベルの英語はイマイチ分からないことがあるのですが、その一つの理由に『接続詞の使い方』があります。
エグゼクティブたちは、接続詞を頻繁に使っているのです。
ということは、我々ノン・ネイティブのビジネスパーソンでも、接続詞の使い方を意識すれば、たとえ英語自体が不十分でも、文全体のトータルパッケージとして、しっかりメッセージを伝えることができるのではないでしょうか。
この記事では、我々のビジネス英会話力を上達させるための、『文頭接続詞』にフォーカスしていきたいと思います。
なぜ、文頭の接続詞があると話の内容を理解しやすいのか?
なぜ、アメリカ人エグゼクティブたちは、文頭で接続詞を使うのでしょうか?
それは、これから話すことの方向性を示して、聞き手に心の準備を促すことができ、それによって、聞き手がストレスなく話を聞くことができるからです。
例えば、In my view, と一呼吸おいてから話してくれれば、『ああ、今から、自分の意見を言ってくれるのだな』とわかりますし、
代わりに、In fact, やActually, という始め方をすれば、『これから事実を述べようとしているのだな』と、これだけでだいぶ話の展開を読むことができます。
こういった文頭の接続詞がなかったら、どうなるでしょうか?
聞き手は、「これから相手はどんな話を始めるのか?」と神経を集中しないといけません。そして、これはとても疲れます。
特に、英語を母国語としない人たちにとっては、この文頭の接続詞があるかないかで、話の理解度と、話を聞く疲労感がだいぶ変わってきます。
だからこそ、グローバルに活躍するエグゼクティブたちには、こういったわかりやく話を伝えるテクニックが求められていて、その1つとして、文頭の接続詞が重宝されるわけです。
逆を返せば、この文頭の接続詞を我々ビジネスパーソンがうまく使いこなせれば、英語でのビジネスコミュニケーション力を簡単に上昇させることができると思いませんか?
ということで、早速、最低限覚えておきたい文頭の接続詞を紹介していきます。
出典は以下の書籍です。
まずはこの15種類を! 話の展開をサラリと伝える文頭接続詞
新しい話題を始める
- So,
- Well,
例:So, how’s your working going?
例:Well, I got an email from my friend in New York.
意見を述べる
- In my view
- It seems to me that…
例:In my view, there is a difficulty with their marketing.
例:It seems to me that the stores are more crowded than last year.
理由を述べる
- I say this because…
- Here’s why.
例:I say this because the prices were lower last year.
例:Here’s why. The weather will be cooler and there will be fewer tourists.
自分が言ったことをもっと明確に、あるいは具体的にする
- In fact,
- You know,
例:In fact, I sent you two emails last month.
例:You know, it’s hard to understand his pronunciation.
例を挙げる
- For example,
- For instance,
例:For example, the company had a ten percent decrease in sales.
例:For instance, our city began a traffic safety campaign.
付け加える
- Also,
- In addition,
例:Also, you might want to order coffee.
例:In addition, there is a good mall nearby.
順序を示す
- First,
- And then,
- Next,
- After that,
- Finally,
例:And then, we visited the museum.
例:Next, we had lunch.
例:After that, we returned to the hotel.
例:Finally, we went to bed.
結果を述べる
- As a result,
- Consequently,
例:As a result, I couldn’t attend the meeting.
例:Consequently, we cancelled our reservation.
以前のことに触れる
- Previously,
- Earlier,
例:Previously, we talked about the schedule.
例:Earlier, you requested information about our employee.
比較、対比する
- Compared with X,
- In contrast,
例:Compared with public schools, private schools offer smaller classes.
例:In contrast, our competitors are increasing their marketing budget.
強調する
- Clearly,
- Certainly,
例:Clearly, the most exciting scientific advances are in biotechnology.
例:Certainly, I agree with you.
複雑なことを手短に言う
- In brief,
- In a nutshell,
例:In brief, customers pay attention to price more than quality.
例:In a nutshell, diet and exercise are the only ways to lose weight.
言ったことを繰り返す
- As I mentioned earlier,
- As I noted before,
例:As I mentioned earlier, I have to go to New York in May.
例:As I noted before, several people have complained about the noise.
感情や態度を表現する
- Surprisingly,
- Sadly,
- Fortunately,
- Interestingly,
- Luckily,
- Unfortunately,
- Frankly,
- Amazingly,
例:Surprisingly, the plane arrived early.
例:Sadly, no one survived the plain crash.
例:Fortunately, I got a big bonus this year.
例:Interestingly, people now prefer buying books on the internet.
例:Luckily, we checked the room before everyone arrived.
例:Unfortunately, I forgot to bring my phone.
例:Frankly, your message arrived too late.
例:Amazingly, they agreed to all of our request.
結論を言う、最後に要約する
- To sum up,
- In conclusion,
例:To sum up, there is no way we can finish the project on time.
例:In conclusion, the cost depends on the size of the order and the delivery date.
まとめ:文頭の接続詞を使って英語のコミュニケーションをスムーズに
いかがでしたでしょうか?
今回は英語のビジネスコミュニケーションを上達させるためのコツがテーマでしたが、よくよく考えてみると、英語に限らず、日本語でも同じことだと思いませんか?
仕事ができるビジネスパーソンの話には、明確なロジックがあります。
例えば、以下のような説明のテンプレートがわかりやすいと思います。
私の考えでは、Aです。なぜならば、Bだからです。実際に、Cというデータも報告されています。加えて、Dというメリットも得られる可能性があります。だから、Aをとるべきだと思います。
さて、もうここまで読んでいただければお分かりのように、これらはまさに、上記で上げた接続詞のままです。
つまり、接続詞だけで、話の骨格はできるので、多少肉付けが下手でも、大体の意味を伝えることができるのです。
だからこそ、英語のビジネスコミュニケーションには、接続詞が大事で、その中でも特に大事なのが、文頭の接続詞なのです。
ぜひ、明日からの英語のメール、電話会議などで意識して使っていってはいかがでしょうか?