みなさんは、人前で萎縮してしまったり、自社や他社の重役に気後れしてしまったりすることはありませんか?
私は社会人6年目くらいまでは、人前に出ると萎縮どころか “パニック状態” になるほど悲惨な状況でした。もちろん、重役に限らず上司と話す時でさえ、萎縮していた時期があります。
この過去の経験(トラウマ)もあり、人前でのスピーチや、緊張や萎縮といったキーワードには人一倍敏感です。
そんな私ですが、最近、YouTubeチャンネル「ホリエモンチャンネル」のMC寺田有希さんの「萎縮しないコツ」というインタビューを読んで、当時のことを思い出したので、今回は「萎縮しないコツ」について考察していきたいと思います。
ホリエモンチャンネルとは?

堀江さんといえば、忖度なしでストレートな物言いをされる印象がありますが、その堀江さんが歯に衣着せぬいつもの調子で時事ネタや視聴者の質問に答えていくのが「ホリエモンチャンネル」です。
そして、その番組MCを7年近く務めているのが、女優の寺田有希さんです。
堀江さんとゲストとの会話を見ていると、堀江さんとの距離感って難しそうだなと私は感じてしまうのですが、MC寺田さんは、堀江さんに遠慮なくズバズバ切り込んでいくのです。そこには萎縮や遠慮などは全く見えません。
例えば、こんな様子です。
インタビューアー:僕も堀江さんに取材することがありますが、機嫌を損ねないように言葉を選んで、毎回疲弊しちゃいます。
寺田さん:たしかに機嫌に波はありますけど…「怖い」とか言ってられないですよね、仕事だから。
お仕事を任せていただいた以上、私のやるべきことはただ一つ、「動画のクオリティに貢献すること」。
そして、そんな切り込みにも特に嫌な顔をせずに対応している堀江さんを見ていると、二人の間にはかなりの信頼関係があることに気がつきます。
仕事相手に萎縮している時の精神状況とは?
以下は、『堀江さんに萎縮しないのですか?』という質問に対する寺田さんのコメントです。
萎縮しちゃう人って、「自分がどう評価されるか」ばかりに意識が向いてるんです。
私はこのコメントを読んだ瞬間に、『そう!それそれ!』と心の中で叫んでしまいました。
というのも、私自身が人前や上司の前で萎縮していた時のことを思い出すと、まさにこの「自分がどう評価されるか?」を気にしすぎていたからです。
自分の仕事や意見に自信がなさすぎて、その結果、「こいつは仕事ができないヤツだ」と周りに思われるのを極端に恐れていたのです(実際に仕事ができないことなんて、とっくにバレていたのですけどね、、苦笑)
萎縮している状態 =「相手からの評価」を気にしすぎ状態

「萎縮している」状態は、「あがっている」状態にも非常に近いと思います。
心理学者やあがり症専門の心理カウンセラーは、あがり症を引き起こす主な原因として、以下を挙げています。
- 完璧主義やプライドの高さからの自己否定
- 他人からの評価を気にしすぎる特徴
- どうしていいか分からないパニック
- 失敗体験からくる負の条件反射
この2つ目の特徴である「他人からの評価を気にしすぎる」は、まさに寺田さんのコメントの通りなのです。
あがり症に関する詳細は以下の記事にもまとめているので、興味がある方はあとで読んでみてください(長いことコンプレックスだった話なので、かなり長文になっています、笑)
【実は単純?】人前や上司、仕事相手に萎縮しないコツとは?
さて、もう一度、寺田さんのインタービュー記事に戻りたいと思います。
萎縮しないコツとは?という質問への回答です。
「仕事相手に萎縮しないコツ」という意味なら、「“仕事を全うすること”を何よりも優先する」に尽きる気がするんですよね。
「評価されたい」が目的になっちゃうって、自分の仕事に本気になれてない証拠だと思うんですよね。
とてもストレートでわかりやすい言葉だと思いませんか?
当時の私がこの記事を読んでいたら、「ハッ」と気づいていたのかもしれません。
自分に自信がなくて萎縮していた時の私は、今思えば「自分の仕事」に本気になれていなかったのです。
当時の私が不運だった側面として、私が所属していた部署が「最悪なくても」大丈夫という宙ぶらりんな立ち位置だったこともあり、本気になりにくかったという “言い訳” もあります。
ただ、それならそれなりに “やれること” はあったはずなので、所詮は “言い訳” にすぎなく、全ては「自分の仕事に本気でコミットできていなかった」ことが原因でした。
その後、私はプロジェクトマネジャーという、数十人のプロジェクトをマネージしていく職種に変わることになるのですが、そこで人生が大きく変わったように思います。
プロマネになった時は、もう人前で萎縮している余裕がなく、とにかく、目の前のプロダクトを世に届けるというコトにコミットせざるをえなくなったのです。
そうすると、不思議なことに、今まで人前で喋ることができなかった自分が、自分よりもふた回りも年上かつ重役を目の前にしても、物怖じせずに議論ができるようになったのです。
そこから、Ippoの人生はガラっと変わることになり、この記事を執筆している今はアメリカで働いているということに繋がってきます(私の話は長くなるので、またどこかの機会で)
意識を自分以外のコトに向けると萎縮しなくなる!
寺田さん曰く、ホリエモンチャンネルで盛り上がるのは、ゲストの方が本気でアイデアを実現したいと思っている時のようです。
ホリエモンチャンネルに来るゲストの方を見ていても、堀江さんと話が盛り上がってるのって、自分のアイデアを実現することを最優先に考えてる人なんです。
最初から最後まで全部反論されて帰っていく方もいらっしゃいますけど、ご機嫌とって当たり障りない会話をして終わる人に比べれば、堀江さんも明らかに楽しそう。
つまり、自分の評価なんて気にせずに、真っ向から「やりたいこと」をぶつけてくるゲストの方が盛り上がるということですね。
このコメントを読んで思い出したのが、DeNA創設者の南場さんの「仕事ができなかった」時のエピソードです。
南場さんと言えば、34歳でマッキンゼー日本支社のパートナー(役員)に就任されたという物凄い方なのですが、最初は「自意識過剰」に縛られて、成果がでず、マッキンゼーを辞めようとされていたようです。
転職先も決めて、「ああ、捨てる神あれば、拾う神ありだなあ」なんて思って、随分と精神的に安定してきたときに、「すごいプロジェクトが通ったからぜひ入ってくれ」と言われて。それはすごくお世話になったパートナー、上司から言われたことなんですね。
そのとき私はその上司に言いました。「まったく仕事ができなくて、役に立たなくて。何のバリューも出せなかった。もう私はコンサルタントには向かないので辞めます」と伝えました。(中略)
これを最後に辞めようと思って仕事に取り組みました。そしたら、すごくうまくいくんですよ。
なぜかっていうのは、はっきりしているんですけど、全然肩の力が抜けてるんです。自分のバリューとか、自分ができる、できないはまったくどうでもよくて、本当にクライアントさんにも、チームのメンバーにも、自分ができないことをさらけ出して、「助けて」って言って、みんなの力を借りて、チームがとても良い成果を出したんです。
それで、あっと思ったのが、自分のことすっかり忘れて、自分のバリューとかすっかり忘れて、仕事にだけ集中して。そしたらこんなにのびのび仕事ができます。楽しいんです。そして成果もついてきます。
これを私は感じて、それからもう解放された人になりました。どんどんトントン拍子で図々しく活躍する人になっていきました。最後はもう、私がいないマッキンゼーなんてつまんないんじゃない?ってくらいに(笑) ビュービューでやってたと。そういう状態になりまして。
(引用元:NAVERまとめ|DeNA南場智子さんの講演「ことに向かう力」がいい話だった【全文】)
まとめ:萎縮しないコツは「誰かのために」死力を尽くすこと!

萎縮しないためのキーワードは、「誰かのために/自分以外のコトに」です。
先ほどの南場さんのお話の続きです。最後にこんな風に締めくくっています。私も自身の経験から100%賛成で、とても好きな言葉です。
私はその時から、あまり自分に意識がいかない方がいいなと思いました。
それと同時に、あまり誰についていくとか、アイデアの帰属とか、あるいは評価だとか、ポジションとか、マネージメントとか。そういったことをすっかり忘れて仕事に打ち込むと、本当に良い結果がついてくるなと感じました。(中略)
私が今日、みなさんに言うとしたら、とにかく「コトに向かってくれ」ということじゃないかと思います。
人とか、それから自分に向いすぎずに、仕事に向かう。コトに向かう。コトを成すことに精一杯取り組む。そうするといろいろなものがついてくるのかな、と感じたりします。
いかがでしょうか?
『周りが自分のことをどう思っているのか?』とか、『自分ができないヤツだと思われたくない』とか、
そういう自分への目線は捨てて、
とにかく、目の前の仕事に打ち込むことです。
仕事に打ち込むとは、すなわち、その仕事を待っている人がとびきりの笑顔で喜んでくれるために死力を尽くすということです。
接客業であれば、目の前のお客さんですし、BtoBであれば、クライアント。社内のマネジメントであれば、社内のステークホルダーです。
シンプルです。
もし、今、人前で緊張してしまうことや、すぐに萎縮してしまうコンプレックスを持っている方は(私のように)、「他の人を喜ばせる」という意識で頭の中を塗りつぶしてみてください。
劇的にあなたの世界が変わることは、私が保証します。