【キャリアパス考察】得意分野を活かすフィールドをズラして成功した有名人たち

【キャリアパス考察】得意分野を活かすフィールドをズラして成功した有名人たち

あなたの専門分野を活かせる場所(フィールド)は、今いる場所だけでしょうか?

私は理系出身のプロジェクトマネジャーでしたが、今は全く専門が違う財務・会計の分野にいます。

でも面白いことに、財務・会計のフィールドでは、プロジェクトマネジャーのようなことができる人がとても少ないので、例えば、会計関連の業務改善プロセスのマネジャーとして、他にはビジネス部門をリードできるファイナンスリードとして、責任を与えてもらったりしています。

多くの人は、営業が得意だから営業部門、企画をずっとやってきたから企画部門というような、得意分野/経験分野=自分の職種、という固定概念に囚われがちですが、希少価値という点で見ると、敢えて戦う分野(フィールド)をズラすというのも、1つのキャリア戦略ではないでしょうか?

【キャリアパス事例】 アナウンサーが野球実況からゲーム実況に転向

先日、こんなニュースを見ました。プロ野球やサッカー実況の一線級アナウンサーが、ゲーム業界の実況に転向したという話です。

テレビ朝日系列の朝日放送のアナウンサーである平岩康佑氏が、朝日放送を退社し、eスポーツ実況に特化した事務所を6月16日、設立しました。

平岩アナウンサーといえば、プロ野球やサッカーの実況として名を馳せたアナウンサーで、特に野球の実況においては、ANNアノンシスト賞優秀賞を受賞するなど定評があります。

一線級のアナウンサーがeスポーツ専門のアナウンサーへ転身したことは、今年のeスポーツ界隈のニュースとしてもトップクラスなのではないでしょうか。

(引用元:東洋経済オンライン|平岩アナがeスポーツ専門アナに転じたワケ

私はこの記事をみて、この人はオンリーワンかつナンバーワンに駆け上がるだろうな、と確信しました。

eスポーツというのは、いわゆるスポーツのTVゲームのことです。

いままでは、スポーツゲームの実況というと、そのゲームで活躍しているプレイヤーが片手間でやったりするものでした。

ところが、実況という観点で見れば、プロ野球もゲームも同じスキルが活かせるだろうと考えた平岩さんは、実況のプロフェッショナルとして、ゲーム業界に参画したわけです。

平岩さんについて調べてみると、彼は趣味としてもゲームが好きなようで、もともとeスポーツにも興味をもっていたそうです。

自分の趣味の世界に、いままで本業でやっていたスポーツ実況を持ち込んだという点で、まさに、最強のキャリアパスのお手本だと思います。

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さらに、平岩さんは、自分で会社も作ってしまって、eスポーツ業界の実況プロ(eスポーツキャスター)を育成していくというのだから、ビジネスの才覚も素晴らしい方だと思います。

後進の育成に関しては、「ゲーム好きのアナウンサー」と「しゃべれるゲーマー」の2つのラインを目指していきたいと思っています。どちらもよいeスポーツキャスターになると踏んでいるからです。もちろん、クオリティは段違いのものを目指しており、プロとして活躍ができる人材を育てていく予定です。

平岩さんは、2つの育成方針を打ち出しています。

  • アナウンサーを専門にしていた人をeスポーツに寄せていき、「ゲーム好きのアナウンサー」を作るアプローチと、
  • ゲームプレイヤーでしゃべれる人をアナウンサー側に寄せていき、「しゃべれるゲーマー」を作るアプローチです。

他の記事でも書きましたが、このどちらも、2つ目のメインウェポンを作りにいく戦略です。

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市場価値を飛躍的に高める『スキルの掛け算』がキャリアアップに効果的

このアプローチは、われわれ企業で働くビジネスマンにとっても学ぶべき考え方ではないでしょうか?

【キャリアパス事例】元日本代表サッカー代表がサッカーゲームに参入

他にもeスポーツ業界への転向した興味深い事例があります。

元サッカー日本代表の秋田 豊さんも、ゲームのサッカーに参入しています。

「インターネットの通信制高校『N高(角川ドワンゴ学園)』から『eスポーツのサッカー、ウイニングイレブン指導をしてみませんか』と誘っていただいたのがきっかけです。『実際に自分は何をやればいいの? 』と聞いたら、『本当のサッカーのことを教えてほしいと』。

何はともあれ自分でもウイニングイレブンをやってみたんです。全然うまくいかない。でも”知ることが大事だ”と思ったんです。実際のサッカーとゲームの違いは何か。少しゲームをやってみたら『(実際のサッカーのように)なんでもできる』という点に共感を覚えた。だったら細かい、自分のやってみたい戦術を採り入れてみよう、と考えたらそれも出来る。おもしろいなぁと思ったんですよ」

(引用元:Yahoo!ニュース|元W杯代表・秋田豊はなぜ、eスポーツ最強を志す「STAND UP UNITED」にガチ参戦するのか?

秋田さんといえば1998年のフランスワールドカップで屈強な海外チームの攻撃人を力でねじ伏せたパワー系ディフェンダーですから、私はガチンコ体育会系のイメージをもっていました。

だからこそ、このニュースを見たとき、「なぜに秋田さんがゲームに⁈」と非常に驚きました。

一方で、プロサッカー選手の経験を、ゲームに取り込むというのも、ある意味面白い取り込みだと思います。

今のサッカーゲームは、再現できる自由度が格段に進歩していますから、それこそ現実のプロサッカーと同じレベルの戦略や戦術をゲーム上で再現できるかもしれません。

そうなるとプロサッカーの最前線で戦ってきた秋田さんの経験が大きな武器になるのも頷けます。

秋田さんの活躍が周知されれば、それこそプロサッカークラブの監督経験がある人材などが、eスポーツに参入してくる事例も増えるでしょう。

【キャリアパス事例】小島よしお :子供向けイベントに活動の場を移して再ブレイク

お笑い業界でも、活躍の場を移してブレイクした事例があります。小島よしおさんです。

小島さんは一発屋芸人としてブレイクしたあとは、子供向けイベントにシフトし、地道な努力と営業活動で、普通のお笑い芸人さんとは違う道を見つけていました。

実際の小島さんの営業ライブを見てみると、軸になるネタはいままでの「そんなの関係ねえ」と「おっぱっぴぃ」で変わりませんが、ネタのやり方は大きく変わっていました。

子供を飽きさせずに、うまく巻き込む方法として、「コール&レスポンス」という呼び方で、子供たちと双方向のやり取りをして、場を盛り上げています。

普通のお笑い芸人のライブでは、芸人がお客さんを笑わせるというやり方ですが、

子供は難しい言葉はわからないので、もっと子供自身が動いて楽しめるようなインタラクティブなショーがいいと思ったのでしょう。

海パン一枚を身にまとい、全身をリズミカルに動かして「そんなの関係ねえ!」「おっぱっぴー」などと叫ぶ破天荒な芸でかつて一世を風靡した小島よしお。一時は「すぐ消えそうな芸人」のレッテルを貼られていた彼は、大ブレークから10年経った今もしぶとく生き残っている。最近は子供向けのライブに力を入れていて、その本数はなんと年間100本以上。キッズ(≧∇≦)コーディネーショントレーナーの資格も取得し、子供を楽しませることにかけてはお笑い界でも右に出る者がいないと言われるまでになった。

(引用元:Yahoo!ニュース|海パン一丁の一発屋から子供たちのヒーローに。小島よしおの逆転劇

小島さんは、大人を対象に磨いてきた「お笑い芸人」のスキル・経験を武器にしつつ、子供向けイベントという異なるフィールドに挑戦し、そこでの絶大的な地位を築いています。

今の小島さんは、まさに子供向けイベントの世界では、希少価値のあるタレントになっているのです。

まとめ: 専門分野では敢えて戦わないという選択肢をもつべき

いかがでしたでしょうか。

今回紹介した事例は、いずれも、自分の得意分野や専門分野を、別の場所で活かすという戦い方です。

多くの人は、自分が得意なものがあれば、得意な人たちが集まる場所に行きたがります。

趣味やサークルの世界ではそれでいいかもしれません。

でも、ビジネスの世界では、それは愚策です。

ビジネスの世界では、モノやサービスの価値は需要と供給で決まります。

我々が戦う世界では、需要があるのに供給量が少ないものには高い価値がつき、需要がないのに供給量が多いものは叩き売られます。(ヤフオクやメルカリ、アマゾンで売っている中古のベストセラー書籍などを見れば一目瞭然でしょう。)

分かりやすい例で言えば、砂漠で喉を乾かせている人にとっては、金塊と”六甲の美味しい水(ペットボトル)” は同じ価値になりうるということです。

だからこそ、自分の得意分野を活かせる場所をズラす、つまり、自分が貴重な存在になるフィールドを探すことが重要です。

冒頭で、私はプロジェクトマネジャーから会計・財務の世界に移ったと言いました。

財務・会計の世界では、その道何十年のプロフェッショナルがいるので、その専門分野ではとても太刀打ちできなかったのですが、

一方で、ビジネスの経験や部門横断的な業務のリードやマネージメントは苦手だったり、やったことがない人たちばかりでした。

ですので、他部門を大勢巻き込んで進める仕事をすぐに任せてもらえたり、大きなチャンスが回ってきた経験があります。

もし、あなたが、自分のキャリアに悩んでいたり、転職を考えているのであれば、ぜひ、「今までやってきた職種」から離れてみることもオプションの1つとして考えてみてください。

自分と同じようなスキルセットがひしめくレッドオーシャン(競争が熾烈な場所)よりも、自分みたいなスキルセットを持った人材が少ないブルーオーシャンを探してみてはいかがでしょうか?

もし、あなたが “六甲の美味しい水” だったとしたら、水道水がタダで飲める日本ではなく、広大な砂漠に活躍の場を移した方が、自分の希少価値を高めることができると思いませんか?

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ippo
本サイトの運営者。社会人になった後、周囲から仕事ができないと思われて、自分の人生が真っ暗闇に感じた辛い日々を過ごす。その後、奇跡的な復活劇を遂げ、その勢いのまま、グローバルプロダクトマネジャーを経験。全く喋れなかった苦手の英語もビジネスで会話ができるレベルまで押し上げ、2019年6月からはアメリカに赴任し、グローバル・リーダー/マネジメント達と仕事をしている。 専門分野は、プロジェクトマネジメント、アカウント・ファイナンスなど。自分のように、仕事で悩んでいる人や大きな壁を感じている人が現状打破できるように、という想いで2017年7月に本サイトを立ち上げた。
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