あなたが仕事に求めるものは、「給料」ですか? 「社会や人への貢献」ですか?
実は「社会や人への貢献」を仕事のモチベーションにしている人ほど、高収入になりやすいという調査結果があります。
もしかしたら、「そんなのは綺麗事だ」と思うかもしれませんが、『事実は小説よりも奇なり』。
実際に調査結果をみながら、考察していきたいと思います。
仕事の目的:低収入ほど「給料」、高収入ほど「社会や人々への貢献」
今回紹介するのは、2012年3月の「仕事に求める最大の目的」についてのインターネット調査結果です。
少し前の調査になりますが、1,000人というそれなりのサンプル数があるので、信頼性が高いと思います。
まずは、以下のグラフをご覧ください。年収が上がっていくほど、仕事に求める目的が「給料」から「社会や人々への貢献」に移っていくことがわかります。
年収1,500万円以上の層は、仕事に求める目的を「給料」と答えた割合が42.5%と最も低くなっています。一方で、年収300万円台の層は「給料」の割合が60.5%と最も高くなっています。

(引用元:プレジデントオンライン|低年収ほど仕事の目的は「給料」 -年収別 幸せ実感調査【2】)
(アンケート対象:個人年収300万円台、500万円台、800万円台、1000万円台、1500万円以上の各年収200人ずつで計1000人)
どうやら、低年収ほど「仕事はお金を稼ぐ手段」と割り切っていて、高収入ほど「仕事は社会や他人に貢献し、承認を得ることの手段」と考えるようになると言えそうです。
何のために仕事をするのか? (3人のレンガ積み職人の寓話)

この調査結果をみた時に、以前書いた記事の「3人のレンガ積み職人の寓話」の通りだな、と感じました。
とても興味深い寓話なので、改めて引用しておきます。
世界中を回っている旅人が、とある場所で、3人のレンガを積む職人に出会いました。
その旅人は、最初に出会った職人に聞きました。
「あなたの仕事は何ですか?」
すると、
「見てのとおり、レンガを積むことです。」
という答えが返ってきました。
2人目の職人に同じ質問をしたところ、彼は
「教会を作ることです。」
と答えました。
3人目の職人に聞くと、彼はこう答えました。
「歴史に残る偉大な大聖堂を作ることです。」と。
この寓話の3人の登場人物を、我々のビジネスの現場に当てはめてみると、こんな感じでしょうか。
- 最初の「仕事=レンガを積むこと」と答えた人は、仕事はお金を稼ぐ手段と思っていそうです。実際のビジネスでも、「指示通りにやりました」とか「指示がなかったのでやっていません」と言う人に出くわしたりします。こういう方は収入も上がらない上、いつの間にか会社から消えてしまっていることもあります。
- 次の「仕事=教会を作ること」と答えた人は、その仕事の先の最終ゴールを見ている人です。いわゆるプロフェッショナルな方でしょう。実際に、会社でもそれなりの給料に到達すると思います。
- 最後の「仕事=歴史に残る偉大な大聖堂を作る」と答えた人は、仕事で社会貢献をして人を喜ばせたいと思っている人です。こういう方は、自分の仕事に使命感を持っているでしょうし、それが周りにも広がっていきます。実際のビジネスでは、こういう方は周りを導くリーダーとして、組織の中でも高い役職につくので、結果的に高収入がついてきます。
いかがでしょうか。 レンガ積み職人の寓話は、「我々は、何のために/誰のために仕事をするのか?」という、とても大事なことを考えさせてくれる話だと思います。
まとめ: 「人を幸せにすること」に集中すると自然に収入が上がる
私の会社の色々な方を見ていると、「誰のために仕事をしているのか?」という点がズレてしまった方を見かけます。
それも、部長クラスでそういう人がいると、その組織自体が負のスパイラルに陥ってしまうので、勿体ないなあと思うことも多々あります。 例えば、仕事のモチベーションが「自分の直属の上司によく見られたい」になってしまったり、「今の業務を淡々とこなしていれば高収入をもらえる」という風に現状に満足してしまった方です。
本来は、部長クラスの人ほど「私は歴史に残る偉大な大聖堂を作って、周りの人たちを幸せにしたい」という使命感で組織をリードするべきなのですが。。
少し話が逸れましたが、要するに、「給料」や「周りにどう見られたいか?」に縛られずに、「もっと周りの人を幸せにしたい」という想いと行動こそが、よりよい仕事や成果を出すために大事なことだと思います。
そして、それを自らリーダーシップを発揮して行動していくことで、自然に給料は上がっていきます。
もし、高収入を目指すのであれば、敢えて「給料」のことを脇に置いて、「誰を幸せにできるか?」「どうしたら幸せにできるか?」に集中するとよいのではないでしょうか。