あなたはメール即レス派でしょうか。
「仕事ができる人ほどメールの返事が早い」というのは、あらゆるビジネス書で言われていることであり、私の会社でもその通りになっています。
では、なぜ、「仕事ができること」と「メールの返信が早いこと」 が繋がるのでしょうか?
この記事では、まず、メールを即レスする人はどういうメンタリティを持っていて、どんな習慣を持っているのかを明らかにしたいと思います。
そして、私が実践した “メール即レスができるようになる方法” を紹介します。
メールを即レスする人は、相手への敬意と配慮を大事にしている人
メールは双方向のコミュニケーションです。それは対面や電話でのコミュニケーションと何ら変わりはありません。
例えば、対面の話し合いで、こちらから話しかけているのに、全く返事をせずに知らんふりされたらどうでしょうか?
この人は私の話を聞いているのだろうか? と不信感が募りますよね。
メールでも同じです。こちらからメールで仕事のお願いをしているのに、全く返信がなかったら、この人は私のメールを読んでいるのだろうか?
むしろ、読んだうえで無視しているのだろうか? と疑心暗鬼になりかねないですよね。
そういう返信がない人に、大事な仕事を任せようとするでしょうか。
つまり、メールは「文字のやり取り」の形式で情報交換をする手段というだけで、対面や電話と本質は同じなわけです。
しばしば、この本質を少し取り違える方がいるのですが、その人はこんなことを言います。
「本当に大事な話であれば、電話をしてくるだろう。それをメールで連絡してくると言うことは、急いで対応しなくても大丈夫だ」というように。
メールでも大事な仕事の依頼はたくさんあります。急ぎではないけれど、とても重要で、なるべく早く対応した方がよい案件もあります。
相手はこちらに動いて欲しくてメールを送っているはずです。そんな相手の気持ちに反してメール返信が遅くなってしまうと、「私の仕事の依頼は軽んじられてしまっているのかも」という不信感に繋がってしまいかねません。
一方で、自分が送ったメールに即レスしてくれる人に対しては、どう感じるでしょうか?
自分のことを大切にしてくれている。自分の仕事にきっちりと対応してくれる。という安心感と信頼感が生まれるのではないでしょうか。
そして、即レスしてくれることによって、仕事もスムーズに進められるようになり、その人との信頼関係も自然に醸成されていくものです。
メールに即レスをする人は、仕事の大小に限らず、相手のことを尊重し、一緒に仕事をすることについてポジティブな姿勢を持っている人です。
そういう人が周りから「仕事ができる人」と評価されるようになるのは至極自然な流れと言えます。
メールの返信速度には、その人の自制心と仕事の習慣があらわれる
ベストセラーになった「最強の働き方;世界中の上司に怒られ、凄すぎる部下・同僚に学んだ77の教訓」の著者のムギー・キム氏は、その著書の中で、このように言っています。
メールの返信速度に『今すぐできる仕事は片付ける』習慣の有無が反映されている
メールの返信が早い人は、仕事を後回しにしないで、その場でどんどん処理していく習慣があるということです。
少しイメージしてみてください。
あなたが忙しい会議の合間にメールチェックしようと思い、メールボックスを開くとします。
最初に開いたメールをみると、そこにはあなたへの仕事の依頼が書かれています。だいたい10分はかかりそうな内容です。ついつい「あとで落ち着いた時にでも対応するかあ」と思ってしまいませんか。
でも、そこで後回しにせずに、その場でメール処理して、自分のタスクリストから無くしてしまえるかどうか。
つまり、メールを瞬時に返す人は、以下のような自分への厳しい自制心とポジティブなマインドセットを持っているといえます。
- 開いたメールの返信を後回しにしない自制心と習慣
- 何事も締め切り寸前ではなく、前倒しで行おうとするマインドセット
- 一緒に仕事をする相手への敬意と配慮
メールの即レスを心がけている人は、任される仕事が大きくなっていけばいくほど、その真価を発揮していきます。
メールの即レスは、仕事ができるビジネスパーソンになるために必要なステップと言えるのではないでしょうか。
メール即レスの人になるために、”即レスする人” を演技すべし
どうしたらメールを即レスできるようになるのでしょうか。
少し私の話をしたいと思います。
恥ずかしながら、私はメールのレスが遅いタイプでした。
メールのレスだけに限らず、依頼された仕事の締め切り期限を破ってしまったりすることもありました。
仕事には優先順位をつけるべきだ! と言う論理を逆手にとって、自分の解釈で仕事の優先順位をつけ、一部の仕事を後回しにして、チームメンバーに迷惑をかける、という失敗もしました。
自分にとっては優先順位は低くても、会社として大事な仕事だったにも関わらずです。
そんな自分の仕事のスタイルでは、この先、ビジネスマンとして食べていけないと思い、ガラリと仕事のやり方を変えることにしました。
同じ職場に、メール処理がものすごい早くて、仕事が抜群にできる人がいたので、その人のやり方を真似したのです。
真似したというよりも、その人の気持ちになって、”その人を演じた” という方が正確かもしれません。
とにかく、仕事の依頼メールが来たら、その人を演じて、誰よりも早く即レスするようにしました。
すると、面白いことに気づきました。
即レスした時のクオリティと、期限ギリギリで提出したクオリティにはそこまで差はなかったんです。いや、むしろ、即レスの方が良いクオリティだったこともありました。
どういうことかと言うと、メールのレスが遅い人は、期限のギリギリになって、「マズい、そろそろやらないと締め切りに間に合わないな」と焦りながら仕事をする場合が比較的多いです。
期限がギリギリだからと言って、じっくり時間を使って取り組んでいる訳ではない時があるのです。
結局のところ、即レスの場合も期限ギリギリの場合も、かける時間はそこまで大差がないのです。
それなら、期限よりも大幅に前倒しで、仕事を片付けた方が圧倒的にパフォーマンスが良いに決まっています。
それに気づいてからは、即レスすることが楽しくなってしまって、今では「メールは1営業日以内に返信」が、私の習慣になっています。
こうすると、日本に限らず、グローバルのパートナーからも「Thank you for your quick response」と感謝されて、自分も気持ちよく仕事ができています。
いかがでしょうか。
やることは実はとても簡単です。
職場にいる仕事が早い人、メール即レスの人を見つけて、その “メール即レスの仕事ができる人” を “演じる” だけです。
そうすると面白いことに、1ヶ月も経てば、”演技していたあなた” が “素のあなた” になっているはずです。
以上、明日の仕事から、”メール即レスの仕事ができる人” を演じてみてはいかがでしょうか。
きっと、面白い変化があらわれると思います。
- 仕事を追い立てよ。仕事に追い立てられてはならない。
- 今日できることを明日に延ばすな。
- ベンジャミン・フランクリン -(米国の政治家、外交官、著述家、物理学者、気象学者 / 1706~1790)