【作業効率化】忘れるためにメモし、脳のワーキングメモリを減らせ!

【作業効率化】忘れるためにメモし、脳のワーキングメモリを減らせ

作業をしていると、色々な雑念や、やらなきゃいけないタスクが思い浮かんで、作業に集中できなくなる経験はありませんか?

私も以前はこのパターンにまさにハマってしまっており、「今やっている作業」を一旦中断し、別の作業を始めるという愚策をやっていた時期がありました(遠い目)

Ippo
認めたくないものだな、

自分自身の若さ故の過ちというものを。

作業効率を考えるのであれば、一度手をつけた作業は最後までやりきるべきです。しかし、色々な雑念やタスクをそのまま頭の中に留めておくと、作業効率が落ちます。

そこで、オススメなのが、頭に浮かんできたアイデアやタスクは、片っ端からメモに落とし込んで、どんどん頭の中から捨て去っていく(忘れ去っていく)ことです。頭の中を常にカラッポにしておくのが理想です。

仕事のパフォーマンスを向上させるには一瞬一瞬が勝負ですから、目の前の仕事に集中するべく、余計なアイデア&タスク達には『あとで構ってあげるから、とりあえず、メモの上で待っといてくれ!』と行列待ちをしていただくわけです。

ということで、この記事では、人間の脳の記憶構造について簡単に紹介しながら、作業効率を上げていく方法を考察したいと思います。

人間の脳は作業中でも勝手に連想ゲームを始めてしまう

人間の脳というのは結構気まぐれな特徴があり、何かの作業をしているときに、ふと別の「やらなければならないこと」が思い浮かぶことがあります。

何かのキーワードが記憶のフックになって、別のことを連想させるわけです。

例えば、プロジェクトチームの会議に出ていて、プロジェクトの進捗状況があまり芳しくないので進捗が遅いタスクをもっとフォローしていこう、という話を聞いたときに、その「進捗が遅い」「フォロー」がキーワードとなって、「そういえば、自分の英会話レッスンも進捗が悪かったな、このままだとマズイのでもっとアクション取らないと」というように、今話していることとは、全く別の話が頭の中をよぎることが多々あります。

Ippo
黄色と言ったらバナナ、バナナと言ったらバナナマン、バナナマンと言ったら、お笑い芸人・・・(注:私の脳内の勝手な動き)

その内容は、取り留めのないものから将来に向けた重要なタスクまで、幅広いのですが、注意しないといけないのは、そういう「思い浮かんだもの」は、少しでも放っておくと、次に連想されたものに上書きされていってしまうということです。

後回しにしておくと、「さっき思い浮かんだことって、なんだったっけ?」というようになるのは、皆さんも経験があるのではないでしょうか。

このように脳が勝手に連想ゲームをすることを、人工知能企業・ヌメンタ(Numenta)の共同創設者であるジェフ・ホーキンスは、その著書『考えると脳、考えるコンピューター』で以下のように説明しています。

人間の新皮質は、複雑な生体によってつくられた自己連想記憶だ。

目覚めている間、どの瞬間にも、あらゆる領域は持ち前の機能を発揮しようと、知っているパターンやその断片が入ってくるのを油断なく待ち構えている。何かの思索にふけっていても、友人の顔が思い浮かんだ瞬間、関心がそちらに向く。

思考が切り替わるのは、それを選んだからではない。だれかのことがふと頭をよぎっただけで、関連するパターンがつぎつぎに思い出されていく。それは避けられない。

(引用元:ジェフ・ホーキンス|考える脳 考えるコンピューター

脳が思い浮かべたモノは、ワーキングメモリに溜まり、そして上書きされていく

人間の脳とは無慈悲なもので、キーワードをキッカケにして、どんどんと連想ゲームを勝手に進めていく癖に、それを逐一記憶していくだけの容量は持ち合わせていません。

1日分のテレビ番組を全部録画してくれるように、一連の連想ゲームを記録してくれれば、後から好きなように、必要な部分を取り出して使えるのですが、そうもいきません。

というのも、脳が一時的に記憶できるのは、せいぜい5~7つ前後と言われているからです(諸説ありますが、一桁程度ということです)。

この短期的に記憶できる機能を、認知心理学の用語では、ワーキングメモリと呼びます。

ワーキングメモリ(Working Memory)とは認知心理学において、情報を一時的に保ちながら操作するための構造や過程を指す構成概念である。 作業記憶、作動記憶とも呼ばれる。

(引用元:Wikipedia|ワーキングメモリ

このワーキングメモリに記憶を留めておく時間は数秒から30秒程度であるため、我々は考えたことや思い出したこと、連想したことを、片っ端から忘れていくのです。

例えるとすれば、ワーキングメモリは、グーグル検索で表示された検索結果です。その瞬間だけは目に見えるようにわかりますが、次の検索ワードを入れると、画面は全く違うものになり、以前の検索結果は全て消えてしまいます。

だからこそ、脳が連想してくれたものの中で、「これは後から使えるから取っておこう」とか「このタスクはTo Do Listに入れておくべきだ」と思ったものは、その場ですぐに書き留めて、しっかりと自分のアイデア帳やタスク管理帳に反映していく必要があります。

ちなみに、私も仕事中は必ず、アイデア帳とTo Do List帳の2つを持ち歩いていて、自分の脳が思いついたアイデアやタスクは漏らさずに、記録していって、それを確実に行動に結びつけていっています。

せっかく、脳がいいアイデアを閃いても、それだけでは意味がありません。そのアイデアを書き留め、そこから行動に結びつけてこそ、成果に繋がっていくのですから。

ワーキングメモリを解放して、仕事の作業効率を向上させるために

ワーキングメモリの作業スペースは限られています。

そのため、思い浮かんだことを忘れずに留めておいたり、色々な不安材料が頭の中をぐるぐると回っていると、それだけで脳のメモリを消費してしまい、作業効率が落ちてしまいます。

例えば、「上司に頼まれた忘年会の会場予約をあとでやらなきゃ」とか、「〇〇さんにあとでメール送らないと」とか、「あの件って、いま誰がボール持ってるんだっけ、このままだと締め切り間に合わないかもな」とか。

こういった余計な雑念を払うことは、仕事の作業効率を上げるためにとても重要です。

以前の私は仕事が遅いことで有名でした。その時は、何かの作業をしようとすると、すぐに、色々な雑念や不安が浮かんできて、目の前の仕事に集中できなくなることが多かったんです。

今思えば、まさにワーキングメモリが雑念で圧迫されて、作業効率が落ちていたのだと思います。

でも、色々試していった結果、ちょっとしたことでも全てTo Do List帳に書き移して、頭から消す、ということをし出したら、劇的に集中力が上がりました。

それこそ、「この前の出張の経費精算をやる」とか「〇〇さんにメールする」とか「この資料を〇〇さんに持っていく」という作業レベルのものまで、To Do List帳に書き込んでいきます。

Ippo
『そんなものぐらい覚えておけば?』と思われるものまでTo Do List帳に移して、頭から消しています。

私は、自分のTo Do List帳を、『記憶のアウトソーシング』とか『記憶の外付けハードディスク』と呼んでいます。

私の場合は、紙媒体をTo Do List帳に使っていますが、デジタル好きは、アプリやPCのExcel等でもよいと思います。とにかく、ワーキングメモリを解放するために、短期記憶を保存する場所をどこかに作ることが重要です。

この短期記憶と紙にメモを取ることの関連性について、カナダのマウント・セント・ヴィンセント大学で興味深い実験結果がされていたので、少し紹介したいと思います。

実験内容は学生グループを集めて、トランプの「神経衰弱」を行うというものです。

実験では、学生を2つのグループに分けます。1つは、カードの位置と結果をメモに取れるグループ。もう一方は、メモなしで記憶のみで覚えるグループ(いわゆる、普通に我々がゲームする時のルール)です。

そして、面白いのは、一定時間が経つと、1つ目のグループはメモを没収される、という点です。

Ippo
メモを取っていたグループの学生からしたら、「だ、騙したな!」という気持ちでしょうね

さて、結果はどうだったのでしょうか?

以下のサイトから引用して紹介させていただきます。

結果としてわかったのは、メモをとっていたグループの方が、カードの位置を思い出すことについて、ずっと成績が悪かった、という事実だ。(中略)

メモをとった学生たちは、記憶の貯蔵に外部形式の技術を頼るあまり、彼ら自身の神経シナプスは、何もせずにいたのだ。

(引用元:WIRED (JP)|メモを取っても記憶は定着しない:研究結果

この研究結果からわかることは、我々はメモを取った時点で、記憶することをサボったということです。おそらく、「あとで見返せばいいや」という思惑があったのだと思います。

もしかしたら、大学受験を控える学生さんたちには、少しショックな結果かもしれませんが、ワーキングメモリを解放して、仕事の作業効率をあげたいビジネスパーソンにとっては朗報です。

ビジネスパーソンにとっては、記憶することが重要なのではなく、「時間あたりの価値をあげ、成果をあげていくこと」が大事だからです。

だからこそ、ビジネスパーソンにとっては、記憶の外部に記憶できる装置(メモ帳やPCやアプリ)をどんどん活用していき、むしろ、自分たちの神経シナプスに余計なことをさせない方がいいということです。

ただし、一番やってはいけないのは、メモしたことで安心して、そこからアクションに繋げないことです。筆者の実体験ですが、これをやると「あいつはメモだけして、行動しないヤツ」と言われるようになるので、本当にご留意くださいね。

Ippo
(筆者が上司に実際に言われた言葉)Ippo君、メモに熱心なのはいいが、そこからアクションに結びつけないと意味がないからね。

まとめ: 忘れるためにメモするという逆転の発想で、仕事の作業効率をあげよ!

いかがでしたでしょうか。

ここまでの内容をまとめます。

  • 人間の脳は本人の意思とは無関係に連想ゲームを始める。
  • 連想ゲームの中で、新しいアイデアや重要なタスクを思いつくことがある。
  • しかし、ワーキングメモリが保存できる記憶は少なく、また保存時間も短いので、せっかくのアイデアはどんどん忘れていってしまう。
  • また、アイデアや考え事がワーキングメモリに溜まると、作業効率が著しく落ちる。
  • ワーキングメモリをうまく活用するには、溜まっていく雑念やアイデアをどんどん外部の記憶装置(紙のメモ帳、PCヤスマホのアプリなど)に移していき、常にワーキングメモリの容量を軽くしておくこと。
  • そうすれば、作業効率を高めることができ、仕事の成果に結びつけやすくなる。

脳の連想ゲーム自体はこれはこれでありがたい役割を果たすものです。ただ、それを放っておくと、ワーキングメモリを圧迫するので、うまく容量を軽くする手段(メモなどの外部記憶の手段)を持ちましょう、ということです。

結論自体は、ありふれたものかもしれませんが、実際にこれを出来ている人は少ないのが私の印象です。

しっかりメモに落としきれていない人や、メモはしたものの行動(アクション)に繋がっていない人が結構います。

とても基本的なことですが、この一連の流れをスムーズかつ確実にできるようになれば、仕事の成果に繋がっていきます。ぜひ最後のアクションまでバトンを繋いで行きましょう。

【作業効率化】忘れるためにメモし、脳のワーキングメモリを減らせ

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ippo

本サイトの運営者。社会人になった後、周囲から仕事ができないと思われて、自分の人生が真っ暗闇に感じた辛い日々を過ごす。その後、奇跡的な復活劇を遂げ、その勢いのまま、グローバルプロダクトマネジャーを経験。全く喋れなかった苦手の英語もビジネスで会話ができるレベルまで押し上げ、今はグローバルや日本の幹部と直接コミュニケーションをするポジションで仕事をしている。 専門分野は、プロジェクトマネジメント、アカウント・ファイナンスなど。自分のように、仕事で悩んでいる人や大きな壁を感じている人が現状打破できるように、という想いで本サイトを立ち上げた。