新入社員や若手社員のみなさん、本当は行きたくない飲み会を断れていますか?
断れない理由として、「上司や先輩から『若いうちは会社の飲み会にどんどん参加して、人脈を広げて他の部門の人たちにも顔を覚えてもらえ!』と言われたので、仕事をする上で必須だから」と思っている方はいませんか?
こういった上司や先輩方の「飲み会論」を信じて、無理して飲み会に参加する新入社員や2〜3年目の若手社員が後を絶ちません。そして、私もまさにその一人でした。
でも、社会人歴も中堅になった今、あなたに言いたいのは、『時間の無駄。かけた時間と苦痛にくらべて、得られるメリットが少なすぎるから、行かんでよろし!』です。
この記事は、この一点をあなたに伝えるとともに、輝かしいあなたの未来に向けて、もっと有意義にリソース(時間とお金)を使っていこう、ということを伝えたくて書いています。
実は、飲み会で築いたものは人脈ではなかった
年次の浅い社員から見ると、先輩・上司の言葉や行動は、説得力があるように見えるものです。
先輩や上司が色々な飲み会に顔を出し、昨日は〇〇と飲んだとか、今日は△△と飲み会だ、というように自慢気に話している姿を見ると、なんだか『凄い人脈を持っているなあ、自分ももっと飲み会に参加しないといけないかなあ』と思いがちです。
いや、もはやマインドコントロールや刷り込みに近い状況です。
でも、それだけ日々飲み歩いている人達が、
- 本当に会社を変えるだけのパフォーマンスを発揮しているのか?
- 将来の自分のスキルアップ・キャリアアップのために、自己投資しているか?
というと、否です。(でも、若手社員の間は、そのことに気づけないのですが)
では、彼らは何をやっているのか?というと、飲み会という場を通じて、成果に結びつかないような社内ゴシップネタを収集していたり、お互いに自分の存在感をアピールして認識し合っているだけだったりするものです。
それが、『おれ、〇〇さんと飲んだことがある』だとか『〇〇さんなら知っている』というような発言に集約されていきます。要するに、「どれだけの人を知っているか」がステータスになっているんですね。
実際に、私が新入社員として配属された現場もまさにそんな環境でした。
しかし、当時の私は疑問を持たずに、周りの先輩や同期たちに遅れを取るまいと、毎週3〜4日は、誰かと飲み会をしていました。
私はお酒を飲めない体質にも関わらず、です(笑)きっと、これが将来の人脈に繋がっていくはずだ、と信じて。
そんな私の当時のポリシーは『誘われた飲み会は断らない』というもので、愚直に飲み会に参加し続けました。
それで結果はどうだったかと言うと、4年ほど続けたものの目立った成果はナシでした。
そして、今、客観的に見渡してみても、当時の飲み会に精を出していた人が出世している印象はありません、残念ながら。
むしろ、あまり飲み会に行っていなかった人達の方が昇進が早いぐらいです。
私の会社では、飲み会を重視する先輩・上司たちほど、自己投資を怠り、英語も喋れないまま、時代の流れにも乗り遅れ、社内からのお荷物になっているのが事実です(もちろん、例外はいますが)。
特に、当時の上司たちは、私が新入社員だった頃と比べて何も進化していないばかりか、むしろ、退化しています。
これらの身近な事例を考えると、飲み会で得た人脈と仕事の成果はほとんど関係ない、というのが私の考えです。
少なくとも、いくら人脈を広げても、それはあなた自身の仕事力を直接高めてくれるということではない、ということは確かだと思います。
私が若手社員のあなたに言いたいことは、『周りの9割が正しいと言って行動していることでも、後になれば、それが検討外れだったという場合がある。』ということです。
数年後に気づいても時すでに遅し、ということがあるので、今の自分にとって本当に大切なことは何か? を考え抜き、それに時間とお金を投資するようにしてください。
たとえ、その考えが少数派の意見だったとしても、です。
あなたに責任を持ち、あなたを育てるのは、紛れもなく、『あなた』しかいないのだから。
本物の人脈は仕事を通して築かれるもの
今では、私は無理して会社の飲み会に行くことはなくなりました。行きたくない飲み会は、色々と理由をつけて、即決で断っています。
でも、全く支障はありませんし、人脈の不安もありません。むしろ、当時よりも困った時に頼れる本当の人脈が増えました。
本当の人脈は、仕事を通じて築くものであって、誠心誠意、仕事に打ち込めば、自然に人脈が広がって行くものです。
仕事を通じて、相手にどれだけの価値を提供できるか? を考え続けて、とにかくGive and Give and Giveを続けるのです。(Give and Takeでは信頼関係までは作れません)
そうすると、相手の中で、私の信頼度が高まって行って、何かあった時に快く助けてくれるようになります。
それは飲み会で培った『〇〇さんと飲んだ。〇〇さんを知っている』という関係よりも、何倍も濃いつながりです。
しかも、飲み会に来れないようなママさんたちとも強い信頼関係を築くことができます。
『仕事を通じて、誠心誠意、相手に価値を提供できれば、お酒のコミュニケーションなんて全くいらなかったんだ、、』
こんな大事なことを、私は入社して8年目の頃になって、ようやく心から理解することができました。
もっと早く気づいていればよかったし、新入社員の時に、こういうことを教えてくれる上司や先輩がいたら、また違っていたかもしれないと思います。(後悔というものはないです。あの経験があったからこそ、今こうやって情報発信できていますから)
大事なのは、心から行きたい飲み会かどうか?
少し飲み会のデメリットを推しすぎた感があるので、フラットに戻す意味でも、補足しておきます。
この記事のメッセージは、決して飲み会自体を否定しているわけではありません。
自分が心から行きたいと思う飲み会は、どんどん行けばいいのです。
心から行きたいというのは、即決で参加と言いたくなるような飲み会です。即決できるということは、おそらく、あなたに大きなメリットがある飲み会なはずですから。
私が伝えたいのは、そういった心から行きたいと思う飲み会は参加し、そうではない飲み会はハッキリと断りましょう、ということです。
例えば、一瞬でも参加の返事を迷ってしまうような飲み会であれば、断った方がいいです。きっと、そこに参加しても、時間とお金に応じた成果は得られないでしょうから。
そして、そういう風に、参加を一瞬迷った場合は、なぜ自分は迷ったのかを少し深堀りしてみるとよいです。
迷った理由を言語化していくと、きっと飲み会の参加・不参加を判断する自分の軸が見えてきます。
ちなみに、私の判断基準は明確です。
未来の話が好きなメンバーかどうか、仕事の刺激を得られるメンバーかどうか、です。
ですので、単なる飲んで騒ぐ系や、自分が参加しなくても人数が足りる歓迎会系、お酒が入ると愚痴や不満が出る系、過去の栄光や自慢話好き系の飲み会とは、距離を置いています。
そこから得られるものは少ないからです。その時間があれば、こうして記事を書くか、資格の勉強をするか、英語の勉強をする方が時間当たりの価値が高いと思うからです。
飲み会に行くと失う2つのこと
飲み会に行くことで失うものが2つあります。さて、何でしょうか?
もうお分かりですよね、そう、お金と時間です。
お金のことは特にここでは言及しません。お金の価値観は人によって様々ですし、それに飲み会に行かなくても家で飲む人もいるでしょうから。
でも、時間については、よく考えるべきです。
時間はみんな等しく与えられています。それを何に重点的に振り分けて行くかは、将来のあなたの姿を大きく左右します。
本当に優秀で将来のハイパフォーマー候補は、毎日、コツコツと積み上げています。
例えば、英会話スクールに通ったり、MBAを取ろうと頑張っていたり、資格学校に通ったり、と。
それこそ、誰にも言わずに、人知れず努力をしています。
私の会社でも、最近プライベートを忙しそうにしているなあ、という人と話してみると、『実は最近、◯◯大学のMBAに通いだして、、』とか『最近、◯◯資格の勉強を始めて、、』という話をよく聞きます。
若手社員の間は、あまり差がついたようには見えないでしょう。
むしろ、飲み会に明け暮れている社員の方が、名前を覚えられているという面で、目立つことが多いかもしれません。
でも、気をつけないといけないのは、それは『自分の実力』で目立っているわけではないということです。
もっと責任が大きな仕事を任されたときや、誰もやったことがない道を切り開いて行かないといけないとき、
そういう時に頼れるのは、自分の力です。薄い人間関係に頼った仕事の仕方では、確実に足をすくわれます。(すぐに、ばれてしまいますし)
だからこそ、周りに流されるのではなく、自分に与えられた時間を使って、何をするべきかを考えてください。
自分の未来に向けて、いま何を準備するべきか、を考えることが大事です。
決して、行きたくもない飲み会に行くようなことではないはずですから。
【テンプレ】相手が納得する飲み会の断り方
飲み会を断ることが増えてくると、その断り方が大事になってきます。断るにしても、なるべく相手にマイナスイメージを持たれないようにしたいものです。
私は、飲み会を断る際のお作法(テンプレート)として、以下3つをセットにして断るようにしています。
- まず、声をかけてくれたことの感謝を示す
- 次に、参加できない理由を言う
- 最後に、お詫びの言葉をかける
例えば、『お誘いありがとうございます。とても楽しそうな飲み会ですね。でも、あいにく◯◯の先約が入っていまして、今回は参加ができません。せっかくお声がけいただいたのに、すみません。ぜひ、またお誘いいただけると嬉しいです』というような流れです。
ここで、みなさんも一番悩むのは、参加できない理由ですよね?
これまでの周りの人の断る理由を聞いていると、だいたい以下の3つが多いです。
- 先約がある
- 体調が優れない
- 家庭の事情
ここで、「体調が優れない」は相手に心配をかけるので、あまり多用できません。本当に体調が悪い時にしか使わない方がよいでしょう。
「家族の事情」は、子供の送り迎えや親の介護などの具体的な状況を周りも知っていればいいですが、何も問題ない方がこれを使うとかえって心配されるので留意が必要です。
私がよく使うのは、1つ目の「先約がある」です。
ただ具体的な理由もなく、単に『先約がある』とだけ言うと、上司や先輩たちに怪しまれたり、『ちなみに、どんな先約?』と詮索されることがあるので、私は『社外の方と先約がある』という理由で断るようにしています。
この『社外』というキーワードがミソです。
一応、『社外』という理由を提供しているので、相手からの『先約って何?』というツッコミを牽制することができます。
また、この牽制をかいくぐってくる体育会系の先輩からの『社外の先約って何よ?』という質問が来たとしても、適当にでっち上げればいいのです。『社外』のことなので、ウソをついてもバレにくいですから。
これが社内のほかの人との先約と言ってしまうと、パワー系の上司や先輩たちから『その予定なら調整できるよな? アイツには俺から言っておくからさ』とか、『それなら、アイツも交えて、一緒に飲もう』というような最悪のケースにも発展しかねません。
だからこそ、社内の権力が及ばない『社外』なのです。
もし、完璧に相手を仕留めるならば、飲み会がある日のイベントを適当にググって、『すでに〇〇のイベントのチケットを購入済みなんです。前から行きたかったイベントなので、』と言い切ってしまう荒技も使えます。
そこまでの体育会系色が濃くなければ、もう少しレベルを落として、習い事や勉強系の理由も使えると思います。
私も中堅になってきたので、今はこの理由で十分断れるようになりました。
例えば、資格専門学校への通学、英会話スクールです。
これならば、たとえ1ヶ月以上前からの飲み会の調整依頼が来ても、堂々と不参加を宣言できます。
一回の講座が高いので、それを欠席してまで飲み会に参加しろとは、相手も言いにくいですし、納得感のある理由になります。
また、仮にリスケジュールされて、空き日程を選ばれても、「すいません、補習が入って」とか「予習・復習がとても多くて、その週は毎日、帰宅後に勉強しないといけないんです」というゴリ押しの理由なども可能です。
他にも、お金を払って通っている習い事、社外の人との勉強会、スポーツ(バスケ、フットサル、バトミントンなどの室内スポーツ)、ボランティアなどをやっている場合は、これらを使うのがリアリティがあってよいと思います。
キーポイントはどれも社外であることです。社外の予定だと、『それなら仕方ないか』という説得力が出やすいですからです。
まとめ: 行きたくない飲み会を断って、自分のために時間を使おう
いかがでしたでしょうか。最後にまとめます。
- 飲み会で築いたものは本当の人脈ではない。飲み会好きの上司や先輩の言葉に惑わされるな!
- 本当の人脈は、仕事を通じて、相手にGive and Give and Giveをすることで作るもの。
- 飲み会参加に迷ったとき、その理由を深堀りして行くと、自分なりの飲み会への判断基準が明確になる。
- 若手社員のときほど、飲み会に参加する時間があったら他に何に使うべきか? を考えるべき。
- 飲み会を断る理由として「社外の方との先約がある」を使うのがオススメ。社外のキーフレーズで、パワー系の上司や先輩からの詮索を回避せよ。
以上です。
新入社員や若手社員のときは、上司や先輩の言葉が絶対のように聞こえてしまいがちです。
しかし、繰り返しになりますが、周りの9割が正しいと言って行動していることでも、それが検討外れだったという場合はよくあります。
若手の時ほど、今の自分にとって本当に大切なことは何か? を考え抜き、それに時間とお金を投資するようにしてください。たとえ、その考えが少数派の意見だったとしても、です。
あなたに責任を持ち、あなたを育てるのは、紛れもなく、『あなた』です。
上司や先輩ではなく、自分の心の声を信じて、自分のために時間を使いましょう。
そのためなら、行きたくない飲み会は、華麗に断ってしまいましょう。キーワードは『社外』です。