色々な部署の様々な方と仕事をしていると、それなりの職位にも関わらず、残念な発言を聞くことがあります。
新人ならまだしも、そこそこの立場になっている人からこのような言葉を聞くと、なんというか “呆れて物も言えない” とは、このことか、と思うことがあります。
そういう人(いわゆる仕事ができない人)は遅かれ早かれ、その先のビジネスマンとしての道が狭まって行くことになるのでしょうが、本人はきっと気づいていないのだと思います。
ということで、こんな言葉は言わないように注意しましょう、という戒めとして、今回記事にしたいと思います。
1. その仕事はやったことがないので、できません。
まずは、良く聞くだろうフレーズその1です。
その部署の役割に適していると思って、その部署に人に仕事を依頼したにも関わらず、『いえ、この仕事はやったことがないので、できません』という風な断られ方をしてしまうケースです。
人間誰しも、やったことがない仕事をこなして行くことで、”できなかった仕事” が “できる仕事” に変わって行くはずです。
しかし、こういう断り方をする人は、”やったことがある、やり方が分かっている仕事” しかやらないという考え方で仕事をしています。
困ったな、ということで、『あなた以外の他に適任者はいますか?』という問いかけをするのですが、それについては知りません、の一点張りで、なかなか仕事が前に進まないというのは良くある事例です。
仕方ないので、仕事を前に進めようと思ってその上司に掛け合って見るのですが、面白いことに、その上司も『その仕事はうちの部署ではやっていません』という皮肉な回答ということも。
なんのことはない、その部署のマネジャーのスタンスが、その部下の考え方そのものになっているというカラクリな訳です。
そんなマネジャーがいる部署は、哀しいかな、自然に業務を縮小していき、組織解体というのは良くある話です。私の会社でも、このように、新しいことにチャレンジしていかずに消えていった組織がいくつもあります。
2. それは、うちの部署の仕事じゃありません。
すでに上の事例で紹介済みですが、これだけを胸を張って言い切ってしまう社員またはマネジャーの部署はだいぶ問題だと思います。
ただし、例外があって、『この仕事は、○○という部署が本来やるべき仕事だと思います。なぜなら・・・』という続きのフレーズがあったり、
『うちの部署の仕事じゃないですが、誰もやる人がいないのなら、とりあえず、今回は私がやります。が、根本的に仕事の役割分担を考えないといけないですね。』など、
前向きな提案がある場合は、むしろ、優秀なビジネスマンと言えます。
違いは何かと言うと、自分には関係のない “他人事” として切り捨てて終わりなのか、”当事者意識” を持って解決しようとするか、という点です。
仕事に対して “他人事” なのか ”自分事” なのか、 というマインドセットが一瞬で分かってしまうフレーズです。
新人や社歴が浅い社員なら、まだ更生の余地はありますが、中堅〜ベテランにも関わらず、こんなフレーズを言っていると、その社員は周りの社員に負の影響を与える問題社員になる可能性があります。
自分がそうならないことはもちろん、なるべく、近づかないようにすることをオススメします。
3. その仕事をやる工数がないので、できません。
これも良く聞く言葉だと思います。
これは色々なケースが想定されるので、この言葉に続くフレーズが重要になります。
例えば、『すいません、今、○○○とxxxという重要度・緊急度が高い業務を抱えているので、今すぐあなたの仕事に取りかかれる工数はありません。もし、○○○とxxxの業務よりも、重要度・緊急度が高ければ、上司と相談したいと思いますが、どうでしょうか?』
というように、ちゃんと理由があり、依頼された業務が会社の中で優先されるべきものであるなら検討するという前向きな姿勢がある場合です。
一方で、『その仕事をやる工数がありません(だって、面倒そうだしな)』という、裏付けとなる根拠がなく、感情で断っている場合は、残念な社員と言わざるを得ません。
4. ○○のことをやれば、十分ですか?
仕事のやり方を知らない新人であれば、仕方がないですが、この言葉も中堅以上が言っていると大問題です。
実際に、私も遭遇しているので、どこの会社にもいるかもしれません。
仕事に後ろ向きな人は、なるべく、作業を減らしたいと思う傾向があります。そんな人は、成果物の品質がどうなろうとあまり関心がありません。
従って、誰かの『これだけやっていればいいです』という言葉を心待ちにしています。
でも、そんな言葉をかけてくれる甘い人はいませんので、なんとか、同じような言質を取ろうと試みます。
そして、出てくる言葉が『○○のことをやれば、十分でしょうか?』なのです。
この質問に対して、『はい』と答えてしまうと、その人は、何も考えずに、○○だけをやって仕事は終わりということにしてしまいます。
仮に、○○だけやって、問題が起きたとしても、『あの時、○○だけで十分ということで合意したので、そうしました』と言って、誰かに責任転嫁までしてくるので、とても危険です。
こんな社員がいたら、十分注意しましょう。成果物の品質が悪いばかりではなく、あなたの足を引っ張るような危険な社員と言えます。
まとめ
以上、言ってはダメなフレーズをまとめました。あなたの会社で、思い当たる社員はいましたでしょうか?
そんな社員が大半を占める組織や、その部門長がそういう人だった場合は、その組織の先行きは明るくないと思います。
もし、あなたがそんな組織に配属されてしまったら、決して、そんなダメフレーズに感化されないように気をつけてください。(なぜなら、私が実はそういう組織にいた経験があるからです。とても辛かった・・)
そして、そんな場合は、早めにそういう組織から異動できるように動いた方が良いかもしれません。
この記事があなたの仕事の参考になりましたら、これ幸いです。
進歩のない組織で持ちこたえたものはない。
- ナイチンゲール -(英国の看護師、社会起業家、看護教育学者 / 1820~1910)