仕事をすぐやる人と先延ばしにする人の決定的な違いとは?

あなたは仕事をすぐにやる人でしょうか? それとも、先延ばしがちなタイプでしょうか?

例えば、日常業務のこんな場面、あなたならどのような行動を起こしますか?

  • 5分ほど考えないと返信できないメール(急ぎではない)
  • 1週間後を期限として依頼された、あまり気乗りのしない資料レビュー
  • 2時間の会議終了後の、議事録(案)作成と出席者への校閲依頼

こんな時に、仕事ができるビジネスパーソンはどんな思考プロセスを経て、どんな行動を起こすのか?

一方で、先延ばしパーソンは、どんな思考プロセスを経て、仕事を先延ばしするのでしょうか?

この記事では、そもそも「なぜ仕事をすぐにできずに先延ばしにしてしまうのか?」を明らかにした上で、「すぐやる」ビジネスパーソンになるコツをお伝えしたいと思います。

なぜ、仕事を先延ばしにしてしまうのか?

現代社会で働くビジネスパーソンには、平社員から幹部社員までおしなべて、大量のメールのやり取り、資料の作成やレビューに始まり、ルーチンの雑務の処理、と様々な「やるべきこと」に晒されています。

そして、興味深いことに「業務量や仕事の忙しさに関係なく」、期限ギリギリになって返信がくる人は大体いつも同じ人です。また、期限よりも早く仕事を終わらせている人も大体同じです。

何を隠そう、私も昔は「仕事を先延ばしタイプ」でした。しかも、期限に間に合わずに上司に大目玉を喰らい、結局、上司に仕事を引き取ってもらうという大失態も経験しています。

さて、仕事の完了が期限ギリギリになる人(または期限をオーバーしてしまう人)は、どんな思考プロセスを踏んでいるのでしょうか?

この分野について多くの著書を残しているカナダ・カールトン大学のティモシー・ピッチェル教授は、「先延ばし」行動の本質について、

「心地よくなることに屈すること」

と解説しています。

また同様に、この分野での第一人者であるカルガリー大学教授のピアーズ・スティール氏は、人がいけないとわかっていながらタスクを先延ばしにしてしまう最大の理由は「衝動」だ。

とした上で、先延ばしという現象を、以下のような方程式 “The Procrastination Equation”として表現しました。

モチベーション = 期待 X 価値 /衝動性 X 遅れ

例えば上司から、あまり気乗りのしないイベントへの出欠確認依頼が来た時、あなたは「行きたくないな」と直感的に思ったとします。(つまり、自分にとって期待が低く、価値も低いと感じた)

一方で、すぐにお断りメールを入れるのもハードルが高いと感じ、ほかの仕事で忙しいことを理由に、期限ギリギリまでそのメールを寝かせて置くことにします。(他のことを理由にした衝動)

そして、期限ギリギリになってリマインドメールが届いた時に、やっとお断りメールを返答するというシチュエーションです。

つまり、我々は先延ばしをする時、自分が気乗りしないこと(期待や価値が低いこと)について、その時の自分の衝動に負けて(今やらないことで心理的な安定を得る)、行動を起こさないことにする、という思考プロセスを辿っているわけです。

仕事をすぐやる人はどんなことを考えているのか?

では、仕事をすぐにやる人は、先延ばしタイプと何が違うのでしょうか?

当然、彼らも人間ですから、自分が気乗りしないこと(自分にとって価値や期待が低いこと)、衝動に負けそうになること(今やらないことで心理的安定を得る)はあります。

しかし、先延ばしタイプと決定的に違う点が、その仕事の「価値」の捉え方です。

彼らは、仕事をする/しない、の判断を、「期待」や「衝動」に任せていないのです。

それは、その仕事の「価値」に重きを置いているからです。

たとえルーティーンの雑務だとしても、それは可能な限り早く片付けるべき「価値のある仕事」と捉えています。

私の元上司は、とにかく自分に関係のある仕事であれば、雑務も含めて優先順位すらつける隙もなく、すぐにアクションをとり、さばいていました。

元上司にその理由を聞いてみると、「自分に関係ある仕事は手元においておきたくない。自分に飛んで来たボールは打ち返すか、適切な人に渡す。それが一番でしょ?」と。

簡単に言っていますが、実際にやるのは大変です。

というのも、多くの人は、

「私の元に来たこの仕事は、私にとって価値が低いものだ。そういうものは後回しにして、もっと大事なものを片付けよう」

「大事なのは優先順位だ」

こんなことを考えて、自分を正当化するケースがよく見られるからです。

しかし、自分にとって優先順位が低くても、相手にとって優先順位が高い場合、会社にとって優先順位が高い場合というのは多々あります(本人が気づいていないだけで)。

例えば、面倒な経費精算を先延ばしにしてしまうとか。。本人にとっては優先度は低くても、会社としては決算の数字に大きな影響を及ぼす重要な仕事だったりします。(本人が重要性に気づいていないケース)

すぐやる人がなぜ評価されるのか?

それは、『本人の主観や思い込み(期待・価値が低いなど)や衝動(一時的な気持ちの安心に逃げる)に囚われず、冷静に会社にとって必要な「仕事」を前に進めることができるため』に他ならないのではないでしょうか?

仕事をすぐやる人に変わる方法は?

これは私の持論ですが、人が何かを習得して成長するプロセスで最も有効なのは、

「理論と実践」

だと考えています。

まずは、頭で理解する。そして、体を動かす、です。

片方だけでは意味はないです。両方揃って、初めて効果が出ます。

例えば、「先輩の背中を見て覚えろ!」という古い慣習。

時間が十分にあったり、先輩と一緒にいる時間が長ければ良いかもしれませんが、この忙しい現代のビジネス社会では効率が悪すぎます。

先輩のどのアクションに、どのような意図が隠れているのか? 何を目的に、誰と、どのような成果を期待してアクションを取っているのか? そういうことを知らずに、先輩の動きだけ見ていても、何も成長しません。

一方で、「ビジネス書を読みまくるだけ」というノウハウコレクター。

「知っている」と「できる」は全く別次元のものです。知っていることを、自分の体で具現化する過程こそが、一番難しい点だからです。

やっと本題の、「じゃあ、私は何をすれば、すぐやる人になれるのか?」という点に入ります。

ここまでで、長々と「理論」について話してきました。

もし、あなたが先延ばししたいと思ったとき、まずこの「理論」を思い出してください。

例えば、すぐにできなそうな気が重い仕事を依頼されたとき。

ついつい先延ばししたくなります。なぜなら目の前の仕事にストレスを感じたり、苦痛だと思うからです。

その理由は、つまらない、面倒くさい、複雑な問題が絡み合っている、自分がやったことがない、不得意な分野だ、どうしたらいいかわからない、といったようなものかもしれません。

そうです、こういう時に、自分の今の気持ちを、この「理論」に当てはめてみるんです。

自分は、この仕事に対して、「やる価値が低い仕事と感じているのか?」「やっても意味がないと感じているのか?」

または、「自分がやったことがなくて不安だから、逃げる衝動に駆られていないか?」、「考えることすら苦痛だから、とりあえず見ないよう意識の外に置こうとしていないか?」

上記のように、客観的に今の自分の状況を整理できるようになること。これが「理論」を学ぶ最大のメリットです。

そして、次は実践です。

やる価値が低い仕事だと思ったら、「単に自分がそう思っているだけで、その仕事の先に待っている人にとっては価値のある仕事ではないか?」と思い巡らせてみる。または、それをずっと放置した時のもっと大きな問題を考えてみる。

やったことがなくて不安だったら、それを少しだけ解消する一歩を踏み出してみます。例えば、やったことがある人にまず電話してみる。

考えることすら苦痛なら、全部は考えずに、全体の1%の仕事だけ考えてみる。

それでも、仕事をすぐにできない人。先延ばしにする人には。

ここまでのことを考えることすら難しく感じる方、うまくいかない方には、私が実践したやり方をお伝えします。

シンプルです。

『騙されたと思って、すぐアクション! すぐ作成! すぐ相談! すぐ電話! すぐメール返信! 』

以上です。内容は最初は30%でも40%でもいいので、 すぐに動くことです。

私は頭で分かっているけど動けない人間だったので、このように自分の性格を変えて、無理やりアクションを変えました。

そして、継続しました。

すると、いつの間にか、すぐアクションすることが快感になってきたんです。さらに、周りから感謝されることがとても増えました。

そして、今では、理論と実践が結びついて、無意識下で動けるようになりました。

振り返ってみると、この思考・行動パターンは、組織のトップやその直下の部門長クラスには必須のものだと思います。

実際に、仕事ができる組織のトップは、とにかく初動が早いです。(逆に左遷されるトップは、初動が遅い)

こうして言葉にすると、なんだか陳腐なものに思えますが、『頭で分かる』と『行動に移せる』は、天と地ほどの差がありますし、実際にアクションができる人が少ないからこそ、そこにチャンスがあります。

仕事を先延ばしにしがちなタイプの方は、自分の気持ちが乗らない仕事ほど、初動を早くして、優先的に取り組んでみてはいかがでしょうか?

ちょうど、よいバランスが取れるようになると思います。

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ippo

本サイトの運営者。社会人になった後、周囲から仕事ができないと思われて、自分の人生が真っ暗闇に感じた辛い日々を過ごす。その後、奇跡的な復活劇を遂げ、その勢いのまま、グローバルプロダクトマネジャーを経験。全く喋れなかった苦手の英語もビジネスで会話ができるレベルまで押し上げ、今はグローバルや日本の幹部と直接コミュニケーションをするポジションで仕事をしている。 専門分野は、プロジェクトマネジメント、アカウント・ファイナンスなど。自分のように、仕事で悩んでいる人や大きな壁を感じている人が現状打破できるように、という想いで本サイトを立ち上げた。